[ニューヨーク 2日 ロイター] - 米調査会エグザンテ・データは、世界各国・地域の中央銀行が新型コロナウイルスによる経済への悪影響を抑えるために短期的に市場の混乱を緩和する政策を打ち出す可能性があるが、その効果は限定的と見られ、売りの好機になり得るとの見方を示した。
2日の株価は世界的に回復。新型ウイルスの経済的影響の緩和に向け世界的な利下げが行われるとの期待感が広がっている。
日銀は2日、黒田東彦総裁の談話を発表。新型コロナウイルスの感染拡大により、最近の内外金融資本市場は不安定な動きが続いているとの認識を示した。その上で、日銀として「今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針である」と述べた。
ただ、エグザンテのアジア太平洋部門責任者、グラント・ウィルソン氏は、ヘッジファンドなどのクライアントに対し、市場の劇的な変化に備えるよう提案していると指摘。「売りは再集結する」とし、新型コロナウイルスの人から人への感染が一段と広がれば「金融市場に関するあらゆる前提が一変する」とした。
ウィルソン氏は、米国を含む多くの国々が新型ウイルスの急速な感染拡大の瀬戸際に立たされており、これらの国々の国内総生産(GDP)は世界の40%に達すると想定。これとは別に、中国などすでに大規模な感染拡大に取り組んでいる国々で、世界のGDPの約25%が占められているとした。
また問題が一段と深刻化する可能性があるとし、信用度が急速に悪化すれば、銀行が企業による融資借り換えを渋る事態にもなり得るとした。