[東京 20日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比181円84銭安の1万9715円42銭となり、反落した。原油相場で先物が急落したことが嫌気された。国内では新型コロナウイルス感染拡大を受け自粛ムードが継続していることもあり、日経平均は買い材料に乏しく方向感に欠ける展開となった。
前週末の米国株市場では主要3指数が上昇。トランプ米大統領は新型コロナの感染拡大によって休止状態にある米経済活動を再開させるための指針を示したことが好感された。
原油相場では米WTI原油先物 (CLc1)が急落。一時1バレル=14.47ドルとなり1999年以来の安値水準となった。新型コロナ流行に伴う需要減に加え、米国の原油貯蔵能力が近く限界に達するとの懸念で、前週からの値下がりの流れが続いている。
日経平均は反落スタート。その後は1万9700円近辺で一進一退となった。前週末の米国株は上昇したものの、日本株は17日の時点で米株高を見込んで大幅高となったため、利益確定の売りに押された。原油先物の下落に加えて、国内における新型コロナ情勢も嫌気された。
市場では「原油価格の下落が嫌気された。今晩の米国株市場は下落するとの見方が優勢で、警戒されている。後場も軟調な展開になるだろう」(国内証券)との声が出ていた。
TOPIXは0.47%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は8926億8400万円と薄商い。東証33業種では精密機器、その他製品、非鉄金属、電気・ガス業などの25業種が値下がり。証券業、銀行業、空運業、石油・石炭製品などの8業種は値上がりした。「日銀のETF(上場投資信託)買いを期待し下げ幅を縮小したものの、0.5%安には至らなかったため入らない可能性がある。原油価格の急落を受け、石油・石炭製品には押し目買いが入っている」(国内証券)という。
東証1部の騰落数は、値上がりが1056銘柄に対して、値下がりが1022銘柄、変わらずが89銘柄だった。
日経平均は1万9700円付近。朝方に安値を付けた後、切り返して下げ幅を縮小したが、現在は再び軟調な動きとなっている。
市場からは「方向感はあまりない。新型コロナウイルスの終息時期が見通せず、日本は相変わらず自粛ムード。先週は米国株に引っ張られる形で上昇したが、日経平均は一気に2万円回復ではなく、1万9000円台後半でもみあいが続きそうだ」(国内証券)との声が聞かれた。
このほか「悪材料が織り込まれてきて、これまで決算を発表した企業もそれほど下げていない。新型コロナを巡る不透明感もあり上値は追いにくいが、売られない環境が徐々にできつつある」(アナリスト)との声も出ていた。
寄り付きの東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比207円41銭安の1万9689円85銭となり、反落した。その後も軟調に推移している。前週末は大幅高で取引を終えたが、この土日に目ぼしい買い材料は出なかったことから一段の上昇は見込みにくいという。
東証33業種では、不動産、建設、海運、倉庫・運輸、非鉄金属など幅広い業種で売りが先行している。
市場関係者によると、寄り前の板状況は、トヨタ自動車 (T:7203)、ホンダ (T:7267)、キヤノン (T:7751)、パナソニック (T:6752)が売り優勢。ソニー (T:6758)は売り買い拮抗。
指数寄与度の大きいファーストリテイリング (T:9983)は売り優勢。ファナック (T:6954)は売り買い拮抗。
メガバンクでは、三菱UFJフィナンシャル・グループ (T:8306)、三井住友フィナンシャルグループ (T:8316)、みずほフィナンシャルグループ (T:8411)は売り買いが拮抗している。