[東京 27日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は大幅に反発した。前週末の米国株市場で主要3指数が上昇した流れを引き継ぎ、朝方から買いが先行。その後、米国株先物が堅調に推移し、今晩の米国株続伸への期待が高まり、日経平均も上げ幅を500円超に拡大した。ランチタイム中に日銀が発表した金融政策決定会合の結果はおおむね想定通りと受け止められたが、金融不安や信用リスクの後退を意識させたとの見方も出ていた。
日銀は27日、企業の資金繰り支援を徹底し、金融市場の安定を維持する観点から、CP・社債の買い入れ増、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた企業向けの金融支援オペの拡充、国債のさらなる積極的な購入を打ち出した。株式市場の反応は限定的だったが、社債やCPの買い入れ増額については「ダウンサイドリスクを意識している向きには下支えとなるだろう」(国内証券)との声が出ていた。
日経平均は後場、じりじりと上げ幅を拡大し、一時1万9819円06銭まで上昇。4月17日以来の高値を付けた。
TOPIXは反発。東証33業種では、電気・ガスを除く32業種が値上がり。値上がり率上位には海運、鉄鋼、非鉄金属、空運、電気機器などが入った。前週末の米フィラデルフィア半導体指数 (SOX)が上昇したことを受け、東京エレクトロン (T:8035)などの半導体関連株が堅調。決算発表を材料にしてファナック (T:6954)やアドバンテスト (T:6857)なども買われた。
このほか、個別では三谷産業 (T:8285)が後場急伸し、ストップ高比例配分。グループ会社のアクティブファーマ(東京都千代田区)が抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の原薬製造を富士フイルムから受託することが決まったと27日に発表し、材料視された。イーブックイニシアティブジャパン (T:3658)もストップ高比例配分。24日に2020年3月期の個別当期利益予想を上方修正したことが好感された。
一方、アマノ (T:6436)は急落。前週末に決算を発表したが、2021年3月期の営業利益見通しが70億円(前年比56.7%減)になるとともに、年間配当金を前期の84円から40円と大幅減配になる見通しなったことが嫌気された。
東証1部の騰落数は、値上がり1752銘柄に対し、値下がりが369銘柄、変わらずが49銘柄だった。
日経平均 (N225)
終値 19783.22 +521.22
寄り付き 19410.84
安値/高値 19,410.18─19,819.06
TOPIX (TOPX)
終値 1447.25 +25.96
寄り付き 1428.44
安値/高値 1,427.24─1,449.29
東証出来高(万株) 124740
東証売買代金(億円) 20113.80