[ロンドン/香港/ワシントン 19日 ロイター] - 複数の関係筋によると、中国政府は国内企業に対し、ロンドン市場への上場を検討するよう促している。
昨年導入した上海証券取引所とロンドン証券取引所の株式相互接続(ストック・コネクト)制度の下で中国企業のロンドン上場を再開し、海外との関係を強化することが狙い。新型コロナウイルス危機後の景気回復を促す狙いもあるという。
上海・ロンドン株式相互接続は、中国企業の投資家基盤拡大や、中国本土の投資家による英上場企業への投資につながるとみられているが、これまでのところ、ロンドンに上場したのは華泰証券
関係筋によると、中国当局が昨年保留扱いとしていた中国太平洋保険 (SS:601601)とSDICパワー (SS:600886)のロンドン上場が許可されたほか、中国長江電力 (SS:600900)もロンドン証券取引所への上場準備を進めることを認められた。
上海証取はロイターに対し、企業と投資家の双方に恩恵をもたらす上海・ロンドン株式相互接続制度を後押ししてきたと説明。同制度下での海外上場は「企業の事業展開のニーズと市場環境に基づいた企業独自の判断」だとした上で、SDICや中国太平洋保険のロンドン上場のタイミングについては英規制当局の承認も必要だと明らかにした。
中国証券監督管理委員会、中国太平洋保険のコメントは取れていない。SDICパワー、中国長江電力、ロンドン証取はコメントを控えている。
米国で反中感情が高まっていることや米国に上場した中国のコーヒーチェーン大手、ラッキン・コーヒー (O:LK)の不祥事を受けて、中国企業のニューヨーク上場が難しくなった可能性もある。
関係筋によると、中国太平洋保険は20億ー30億ドルの調達を目指し、今年9月か10月にプライシングを行う可能性がある。
中国長江電力も25億ドル前後を調達する可能性があるという。
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