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アンジェス Research Memo(1):新型コロナウイルスワクチンの早期開発に期待が高まる

発行済 2020-06-10 15:11
更新済 2020-06-10 15:21
© Reuters.  アンジェス Research Memo(1):新型コロナウイルスワクチンの早期開発に期待が高まる

■要約アンジェス (T:4563)は、1999年に設立された大阪大学発の創薬ベンチャー。

遺伝子医薬に特化した開発を進めており、将来的に「遺伝子医薬のグローバルリーダー」になることを目標にしている。

新薬候補品を開発し、販売パートナーとの販売権許諾契約によって得られる契約一時金や、開発の進捗状況などによって得られるマイルストーン収益、上市後の製品売上高にかかるロイヤリティ収入を獲得するビジネスモデルとなる。

1. 新型コロナウイルス感染症ワクチンの共同開発について同社は2020年3月5日付で大阪大学と共同で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するDNAワクチンの共同開発を行うことを発表した。

HGF治療用製品としてプラスミドDNA製法を開発した実績を生かし、予防用ワクチンの開発を進めていく。

今後のスケジュールとしては、非臨床試験を6月までに完了し、7月に医療従事者を対象とした20~30人規模での臨床試験から始めて、その後、数百人規模での臨床試験実施を経て、2021年春頃の実用化を目指している。

ワクチンの製造はタカラバイオ (T:4974)が担当するほか、治験支援大手のEPSホールディングス (T:4282)やワクチン開発に有効な技術を持つ複数のバイオベンチャーが今回の共同開発に参画しており、ワンチームとなって早期実用化を目指していく。

国内では感染者数が1.5万人を超えるなか、治療薬だけでなく感染を防止する予防ワクチンの早期開発が望まれており、同社に掛かる期待も大きい。

なお、同プロジェクトは国立研究法人日本医療研究開発機構(AMED)が公募した、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」に採択され、研究開発費20億円(研究開発期間:2020年5月-2021年3月)の支援を受け開発を進めていくことになる。

2. その他パイプラインの動向HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン(R)」は、国内で慢性動脈閉塞症患者向けに「潰瘍の改善」を効能として条件及び期限付き販売承認を得て2019年9月より販売を開始しており、市販後調査の結果を見て本承認の取得を目指している。

※また、慢性動脈閉塞症の「安静時疼痛の改善」を確認する第3相臨床試験も同年10月より開始している(予定症例数40例)。

米国でも2020年2月より下肢切断リスクの低い閉塞性動脈硬化症患者を対象に、「潰瘍の改善」を主要評価項目とする第2b相臨床試験が開始されている(予定症例数約60例)。

そのほか、米国で実施している椎間板性腰痛症を適応症としたNF-κBデコイオリゴの第1b相臨床試験や、オーストラリアで実施している高血圧DNAワクチンの第1/2a相臨床試験はそれぞれ患者登録が完了し、現在は経過観察期間(1年)に入っている。

いずれも2020年第4四半期頃に6ヶ月間の観察期間に基づく安全性と有効性に関する臨床試験結果は発表する予定となっており、結果が良好であればライセンス交渉を進めていく意向だ。

また、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を適応症とした第1相臨床試験について、共同開発先であるカナダのVasomune Therapeutics Inc(以下、Vasomune)が2020年内の開始に向け製剤開発を進めている。

新型コロナウイルス感染症患者は重症化した場合、ARDSを発症して亡くなるケースも多くあるため、同プロジェクトの動向も今後注目される。

※「標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善」を効能として、厚生労働省から条件及び期限付製造販売承認を2019年3月に取得し、同年9月より提携先である田辺三菱製薬(株)を通じて販売を開始した。

3. 業績動向2020年12月期第1四半期の売上高は前年同期比92.4%減の5百万円、営業損失は974百万円(前年同期は918百万円の損失)となった。

前年同期に売上計上していたムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム(R)」の販売が2019年12月期の第2四半期で終了しており減収要因となっている。

「コラテジェン(R)」の売上高は5百万円となった。

費用面では、研究開発費が前年同期比で65百万円減少した一方で、「コラテジェン(R)」の市販後調査費用などを中心に販管費が同83百万円増加した。

通期業績見通しについては、新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発に着手したこともあり、現段階で合理的な数値の算出が困難なことから非開示としている。

なお、第37回新株予約権の行使がすべて完了したことで、2020年4月末の現預金は170億円を超えたものと見られ、財務基盤が大幅に強化されている。

■Key Points・新型コロナウイルス感染症の予防ワクチンは2020年夏に臨床試験を開始し、最速での実用化を目指す・NF-κBは第1b相臨床試験、高血圧DNAワクチンは第1/2a相臨床試験の結果次第で早期導出の可能性も・新株予約権の行使により2ヶ月間で約114億円の資金調達に成功、財務基盤が大幅に強化(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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