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ネットイヤ Research Memo(3):2020年3月期は単独業績で4期ぶりに黒字転換も、連結ベースで営業損失計上

発行済 2020-06-19 15:13
更新済 2020-06-19 15:21
© Reuters.  ネットイヤ Research Memo(3):2020年3月期は単独業績で4期ぶりに黒字転換も、連結ベースで営業損失計上

■業績動向1. 2020年3月期の業績概要ネットイヤーグループ (T:3622)の2020年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.9%減の5,465百万円、営業損失が77百万円(前期は21百万円の利益)、経常損失が77百万円(同20百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が68百万円(同83百万円の損失)となった。

売上高は2期連続減収、営業利益、経常利益は2期ぶりの損失を計上した。

単独業績については、採算性を重視した受注活動やプロジェクト管理の徹底に取り組んできたこと、並びにNTTデータとの協業案件が増加したことにより、売上高で前期比2.6%増の3,493百万円となったほか、営業利益で50百万円(前期は58百万円の損失)と4期ぶりの黒字に転換したが、トライバルメディアハウスが主要顧客における広告予算縮小等の影響を受け大型案件を失注したことで、子会社化以降初めて減収に転じたほか、費用面でも内部管理体制強化のための人件費の増加などがあったことで、営業損失を計上したことが連結業績の悪化要因となった。

単独ベースの取引社数は前期の135社から約110社に減少したが、これは収益改善施策の一環として営業活動を上位顧客とNTTデータ協業案件に注力し、営業効率の向上に取り組んだことが要因となっている。

1案件当たりの売上単価は前期比で約2割上昇しており、こうした取り組みも収益性改善に寄与している。

なお、NTTデータ向けの売上高に関しては前期の1億円弱から2020年3月期は4.8億円と急増し、連結売上高に占める比率も8.8%となっている。

NTTデータが受注したBtoC領域のシステム開発案件のうち、SalesforceのMAツール導入支援などデジタルマーケティング分野に該当する部分を同社が受注した。

期初会社計画比での業績下振れ要因は、トライバルメディアハウスの収益悪化による。

また、2020年1月に発表した業績数値に対しては、単独業績においてNTTデータ向け案件の売上げ増や収益性改善に向けた取り組みが想定以上に進んだことなどが上振れ要因となった。

2020年3月期に提供を開始した新サービスとしては、ビジネス視点・UX視点・データ視点のアプローチによる、デジタルマーケティング施策に関する「KPI設計支援サービス」(2019年7月)、企業内の異なる事業・組織を横断したイノベーション活動を支援する「イノベーション・デザインサービス」(同年9月)などのコンサルティングサービスのほか、子会社のトライバルメディアハウスでも、NTTデータとの協業により「インフルエンサーリレーションズサービス」(2020年2月)の提供を開始した。

いずれも業績への影響はまだ軽微ではあるものの、「インフルエンサーリレーションズサービス」に関しては、需要が伸びている領域だけに、今後の成長が特に期待されるサービスとして注目される。

Twitterを通じて効果的な販売プロモーション等を実施したい企業向けのサービスとなり、サービスの主な内容は、Twitterに投稿される全データを活用してファンインフルエンサーを調査し、活動内容や今後のロードマップを立案する。

その後、ファンインフルエンサーとともに、購買意志や行動に影響力のある口コミを生むための活動を行うほか、フォロワーに与えた影響として、意識・態度・行動変容を測定するというもの。

トライバルメディアハウスでコンセプトやロジック設計、サービス運用管理を担当し、NTTデータでインフラ構築、Twitter全量データの取得やデータ分析・加工などを担当する。

初期費用はリレーションプランニングで130万円から、月額費用はリレーションズ活動支援で30万円からの利用となり、売上げを両社でシェアする格好となる。

なお、期末従業員数については、単独ベースで前期末比4人増加の189人(連結は同22人増加の306人)と3期ぶりに増加に転じている。

中途採用者数は2019年3月期とほぼ変わらなかったが、退職者数が減少した。

NTTデータのグループに入ったことが心理的に好影響を与えた可能性があり、直近の社内のムードも1年前と比べて活性化しているものと見られる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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