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エバラ食品工業 Research Memo(3):積極営業も新型コロナの影響等で減収

発行済 2020-06-19 15:13
更新済 2020-06-19 15:21
© Reuters.  エバラ食品工業 Research Memo(3):積極営業も新型コロナの影響等で減収

■業績動向1. 2020年3月期の業績動向エバラ食品工業 (T:2819)の2020年3月期業績は、売上高51,228百万円(前期比0.2%減)、営業利益2,311百万円(同3.4%減)、経常利益2,375百万円(同4.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,482百万円(同10.1%減)となった。

期初計画比では、売上高で1,256百万円の未達、営業利益、経常利益でそれぞれ41百万円、14百万円の過達、親会社株主に帰属する当期純利益で48百万円の未達となった。

主力の『黄金の味』は32年ぶりに新テイストを展開しラインアップを強化、重点戦略商品の『プチッと鍋』は積極的に売場提案を行ったことで年間を通じて店頭の品ぞろえが充実、ともに売上拡大につながった。

一方、夏場の天候不順や冬場の青果価格の高騰により『浅漬けの素』が低調に推移、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2月−3月の国内外の業務用商品は販売が大きく落ち込んだ。

このため売上高は減収、未達となった。

加えて、基幹ブランド商品の収益力強化に向けたマーケティングコスト投下や鍋物調味料群の販売強化のため拡販費が増加、営業減益となった。

しかし、水道光熱費などの工場経費、包材費などの原材料費軽減、相対的に採算のよい家庭用商品のシェア上昇によるミックス改善などから原価率が改善、営業利益は過達となった。

なお、親会社株主に帰属する当期純利益の未達は、固定資産の売却に伴って減損損失を計上したことによる。

主力の『黄金の味』、『プチッと鍋』は好調2. 事業セグメント別の状況食品事業は売上高43,399百万円(前期比0.2%減)、セグメント利益2,620百万円(同3.6%減)、物流事業は売上高6,003百万円(同0.7%増)、セグメント利益146百万円(同14.6%減)、その他事業は売上高1,825百万円(同1.4%減)、セグメント利益48百万円(同37.1%増)となった。

物流事業は、2019年10月の消費増税などに伴い下期に取引量が減少傾向となったが、既存顧客の保管や輸送の需要を取り込むことにより、取引を継続的に伸ばすことができた。

その他事業は、広告宣伝事業において既存顧客との取引拡大や新規顧客開拓を推進したが、前期発生したスポット受注をカバーするには至らなかった。

食品事業は以下で詳述する。

(1) 家庭用商品家庭用商品全体の売上高は34,540百万円(前期比0.9%増)となった。

特に2月−3月は新型コロナウイルス感染拡大に伴う内食需要の高まりなどにより、売上高は前期水準を上回って推移した。

家庭用商品のうち肉まわり調味料群の売上高は15,501百万円(同1.6%増)となった。

2月に『黄金の味』の新テイスト「さわやか檸檬(レモン)」を発売、TVCMやWeb・SNSなどのコミュニケーション施策に併せ店頭での露出を高めたこと、加えて『極旨焼肉のたれ』のラインアップの幅を拡げたことが奏功、第1四半期に出遅れたものの、第2四半期以降は継続的に売上を伸ばした。

鍋物調味料群の売上高は11,860百万円(同4.7%増)となった。

前向きな販促によって「鍋物は秋冬」という常識を覆して『プチッと鍋』の年間定番商品化を推進したこと、TVCMを使って『なべしゃぶ』と『すき焼のたれ』の商品特性や利便性を訴求したことが奏功し、大きく売上を伸ばした。

夏場の天候不順や前期販促の一巡感から『浅漬けの素』が低調に推移したため、野菜まわり調味料群の売上高は4,282百万円(同6.3%減)となった。

その他群は、リニューアルによりシリーズを一新した『プチッとうどん』が内食化の流れに乗って好調に推移、『横濱舶来亭カレーフレーク』も堅調に推移した。

売上高が2,896百万円(同5.7%減)と減収になったが、要因はチルド商品の終売や商流変更に伴う影響であり、利益への影響は軽微なものと思われる。

(2) 業務用商品業務用商品の売上高は8,858百万円(前期比4.4%減)となった。

肉まわり調味料群で、某外食チェーンのメニュー採用に加え新商品・海外売上の貢献もあって好調に推移していたが、1月以降、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりレストランなど飲食店が軒並み営業を自粛したため、受注や商談試食が難しくなり減収につながった。

スープ群やその他群の特注品減少の影響もあった。

減収計画は新型コロナウイルス感染拡大等の影響による3. 2021年3月期の業績見通し同社は2021年3月期業績見通しを、売上高50,095百万円(前期比2.2%減)、営業利益1,702百万円(同26.3%減)、経常利益1,784百万円(同24.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,175百万円(同20.7%減)と見込んでいる。

同社は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済の減速から、先行き不透明な状況がしばらく続くと予想した。

このため、新型コロナウイルスの業績への影響が、業務用商品を中心に2020年3月期半ばまで続くと想定、一方で、実際の収束時期や各種状況によって見通しが変動する可能性もあると考えている。

同社は、引き続き慎重に新型コロナウイルスの影響を見極め、修正が必要になった場合には速やかに開示することにしている。

2021年3月期は中期経営計画「Unique 2023~エバラらしさの追究~」第1フェーズ2年目に当たるが、1年目に引き続き新価値創造による強い企業成長を目指し、コア事業による収益強化と戦略事業の基盤確立に向け、環境変化に応じて機動的に対応していく考えである。

その中で、『黄金の味』やポーション調味料など価値提案型の施策も継続する方針である。

しかし、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内外の業務用商品の販売と広告宣伝事業、人材派遣事業が低調に推移することが見込まれるほか、一部チルド商品の商流変更による売上減少もあり、減収予想となった。

利益面では、国内生産・供給体制の整備・強化に向けた設備投資(減価償却費)や修繕費の投入により原価率が悪化、販管費はトップラインの減少等の影響を受け、前期水準を若干上回る見込みである。

このため減益予算となったが、将来的に商品流通の効率化といったメリットが生まれることが期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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