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東京外為市場・正午=ドル91円前半、政治リスク意識され円の上昇幅が限定的に

発行済 2010-06-01 12:24

         ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

正午現在     91.09/13  1.2257/59  111.67/71

午前9時現在   91.14/16  1.2269/73  111.82/87

前日東京午後5時 91.47/50  1.2307/10  112.60/64

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 [東京 1日 ロイター] 正午のドル/円は、前日東京午後5時時点に比べ小幅ドル

安の91円前半。午前の為替市場では、中国の5月購買担当者指数(PMI)が前月から

低下したことが嫌気され、クロス円全般の下げにつながり、円が買い進まれた。他方、日

本の政治の混迷が続くとの見方から、対ドルでは円の上昇幅は限定的となった。

 

 「鳩山首相辞任の思惑もあり、短期筋がドル/円を売り込みづらい環境になっている」

(外為専門会社)との指摘も聞かれた。円は対ユーロ、英ポンド、豪ドルなどで、約1円

上昇する一方で、対ドルでの円高は0.4円程度にとどまった。「英国の例を見てもわか

るように、リーダーが変わっても、政治的な混迷が収束する気配がみられなければ、その

通貨の売り材料となる」(欧州系金融機関エコノミスト)という。

 菅直人副総理兼財務・経済財政担当相は「鳩山政権のもとで、鳩山首相を支える立場に

変わりない」とし 政局が混迷するなかでも、6月4─5日に韓国・釜山で開かれる20

カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議へ出席する意向を明らかにした。

 <リスク回避>

   

 この日は、市場のリスク回避モードを助長する要因が出そろった。

 朝方の取引では「日経先物が誤発注のうわさで乱高下したことがリスク回避のクロス円

売りにつながった。中国のPMIが5月に53.9と、4月の55.7から低下したこと

もクロス円にはマイナス要因となった。

 「中国のPMIはほぼ予想通りだったものの、水準が低下したため、まずは中国と経済

関係の深い豪ドル売りに飛び火した。その後は、世界経済の先行きに対する懸念が広がり、

他の通貨にも波及した」(証券会社)という。

 

 また、アルゼンチンが債務スワップの受諾期限を延長したことで、新興国に対するセン

チメントを冷やし、反射的にユーロ売り、豪ドル売りが進んだという。

 アルゼンチンは31日、債務スワップ計画について、小口投資家の受諾期限を2週間延

長した。ブドゥ経済財務相は記者団に、地合いの変化を期待する、と述べた。

 総額183億ドルの債務スワップで小口投資家の期限は6月22日となった。ユーロ圏

債務危機を受けた市場の混乱がアルゼンチン国債にも影響しており、国内取引では価格が

5月に平均5.4%下落。スワップ条件は一部投資家にとってあまり魅力的ではなくなっ

ている。受諾期限延長はイタリア銀行協会から要請があったため、という。

 ユーロ/円は高値112.23円から一時111.32円付近まで下落、英

ポンド/円は132円後半から約1円安に、豪ドル/円も77円前

半から約1円安となった。

 

 <ユーロ>

 ユーロは1.22ドル後半を中心とする上値の重い展開となった。市場では、前日に欧

州中央銀行(ECB)が公表した金融安定化報告書が話題となった。

 ECBは、金融危機の影響で2010―2011年にユーロ圏の銀行が計上する追加評

価損が1950億ユーロ(2390億ドル)に達する可能性があるとの試算を公表した。

また、公的債務と財政赤字の膨張で市場が動揺しているため、公的債務問題がユーロ圏の

金融安定化に最大の脅威になっていると分析した。

 「ユーロ圏金融機関では、不良債権処理が米銀に比べて進捗していないため、追加評価

損はECBの資産よりはるかに大きくなる可能性がある」(信託銀行)との声も聞かれた。

 

  

 (ロイター 森佳子記者)

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