日経平均<.N225> 日経平均先物6月限<0#2JNI:>
終値 9711.83 (-56.87) 終値 9740 (-20)
寄り付き 9747.26 寄り付き 9730
安値/高値 9658.44─9747.26 安値/高値 9650─9750
出来高(万株) 163445 出来高(単位) 85945
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[東京 1日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は5日ぶりに反落。ドイツ証券に
よる先物での誤発注で大量の売り注文が出され、大部分は取り消されたものの寄り付き直
後の指数は乱高下した。その後は、動意に乏しく終日、軟調もみあいとなった。
今晩の米国市場は休場明けとなる上、5月のISM製造業景気指数の発表も控えている
ことから様子見姿勢が強まった。市場では「前日まで4日続伸し300円強上昇したこと
を考えれば、このあたりで一服するのも自然だろう」(大手証券)との声もきかれた。
東証1部騰落数は値上がり701銘柄に対して値下がり820銘柄、変わらずが154
銘柄。東証1部売買代金は1兆1101億円と低調だった。
ドイツ証券は1日、きょうの寄り付き直後に日経平均先物で誤発注したことを明らかに
した。原因は社内のシステムの不具合で、すぐに反対売買を行ったとしている。市場では
「アルゴリズム取引で5月6日の米国株式市場でダウ工業株30種<.DJI>が一時1000
ドル近く下落したことを考えれば、誤発注で幸いだったと胸をなでおろす関係者が多いの
ではないか」(国内証券)との声がきかれた。5月6日の米株急落では、アルゴリズム取
引が主導する市場で急落する過程で監督当局の制御がきかない実態を浮き彫りにした経緯
もあり、市場関係者は朝方の予想外の下落に警戒したという。
立花証券・執行役員の平野憲一氏は、寄り付きに為替がやや円高に振れたことや誤発注
による市場かく乱で、出鼻をくじかれた形になったと指摘する一方、「中国の5月購買担
当者指数(PMI)が4月の55.7から低下したものの、景気の拡大・縮小の分岐点で
ある50は15カ月連続で上回り、売り材料としては中途半端だったこともあり、東京市
場は動意を失ったようだ」とみている。別の市場関係者も「誤発注が話題にのぼる程度で、
売り買いともに手掛かり不足。まとまったフローもみえず小動きとなった」(準大手証券
トレーダー)と述べた。
オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は1日、政策金利のオフィシャルキャッ
シュレートを4.50%で据え置いた。RBAは、2009年10月から引き締めに転じ、
以来、5月まで25ベーシスポイント(bp)刻みで6回利上げし、3.00%だったオ
フィシャルキャッシュレートを4.50%まで引き上げていた。コモンウェルス銀行・エ
コノミストのマイケル・ブライト氏は「欧州の信用問題が続いて市場のボラティリティが
高ければ、RBAは据え置きを継続するだろう。現在の金利は景気抑制的だが、RBAが
なおアジア経済の強さに言及し、インフレが目標レンジの上限あたりと予想しているなら、
年内に利上げする可能性はある」との見方を示した。
国内では、鳩山由紀夫首相の退陣をめぐる思惑が交錯したが、市場では「政局不透明は
株式市場にとってはマイナスではあるが、実際、退陣となった場合は株式市場はまず為替
の反応をみてからというスタンスではないか」(国内投信参事)との声が出ている。
個別銘柄では、西松屋チェーン<7545.T>が続伸。きょうから子ども手当の支給が全国の
自治体で順次始まることから、子育て支援銘柄として改めて注目された。同社のほか東京
個別指導学院<4745.T>などの学習塾、さらに認可保育園などを手がけるJPホールディン
グス<2749.Q>などもしっかりだった。
東京電力<9501.T>も続伸した。ゴールドマン・サックス証券が投資判断を「中立」から
「買い」に、目標株価を2400円から2600円に引き上げたことが材料視された。
(ロイター日本語ニュース 石渡 亜紀子記者)