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大幸薬品 Research Memo(2):2020年12月期は、売上高180億円、営業利益55億円と過去最高業績を予想

発行済 2020-12-21 15:32
更新済 2020-12-21 15:41
© Reuters.  大幸薬品 Research Memo(2):2020年12月期は、売上高180億円、営業利益55億円と過去最高業績を予想

■今後の見通し大幸薬品 (T:4574)の2020年12月期通期の業績予想は、3月から12月への決算期変更のため、9ヶ月の業績予想となる。

売上高で18,000百万円、営業利益で5,500百万円、経常利益5,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で3,800百万円と好業績を予想する。

参考に、前期の9ヶ月間と比較すると、売上高で前期比78.3%増、営業利益で同71.7%増、経常利益で同72.8%増、親会社株主に帰属する当期純利益で同78.7%増と、過去最高だった2020年3月期からの大幅な増収増益である。

医薬品事業の売上高予想(9ヶ月)は3,500百万円(前年同期は4,010百万円)と減収予想である。

第2四半期までの減速を踏まえ、国内・海外ともに消費者の外出自粛等の傾向が継続することを前提にしている。

外食や旅行などで外出する機会が減ると、止瀉薬を服用する機会が減ることにつながることも想定され、新型コロナウイルス感染症の第3波が2020年11月から発生していることから、2020年12月期中の市場の回復は見込めない状況である。

感染管理事業の売上高予想(9ヶ月)は期初予想比67.7 %増の14,500百万円と大幅増収を予想する。

2020年12月期の特徴は、インフルエンザの流行が極端に少ない一方で、新型コロナウイルス感染症の第3波が発生しており(11月下旬時点)、消費者の感染症予防意識は高い状態が続いている。

期初に懸念された「クレベリン」製品の欠品や品薄状態は、2020年6月から前年度平均の約3倍の生産能力に増強し、11月には最新鋭の新工場(大阪府茨木市)を稼働させ、前年度平均の約10倍の生産能力を確保し、万全の体制が整った。

さらに、2020年3月期から市場投入された日常除菌製品分野のブランド「クレベ&アンド」も、通年型の商品群として更なる伸長が期待できる。

海外感染管理事業に関しては、インターネット通販企業のM&Aを行った台湾市場、拠点を新設した深センを中心とした中国市場の成長を見込んでいる。

2020年12月期の営業利益は、第2四半期を終えた段階で通期予想に対する進捗率で77.1%と順調に推移している。

2020年12月期は決算期変更に伴い9ヶ月となるため、第2四半期を終えて66.7%が目安となるが、それを10%以上超えて進捗している。

弊社としては、(1)過去数年間のマーケティングにより「クレベリン」のブランド認知が向上している点(2020年3月時点での認知率69.8%)、(2)新型コロナウイルス感染症の第3波が発生し、感染症予防意識は継続しそうな点、(3)新工場稼働に伴い「クレベリン」製品の生産能力の制約がなくなった点、などから、感染管理事業が売上高及び各利益において計画を上回って着地する可能性が高いと考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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