[14日 ロイター] - 韓国の現代自動車グループは13日、電気自動車製造、生産設備更新、スマートモビリティソリューションへの投資強化に向け2025年までに米国に74億ドルを投じると発表した。
バイデン米政権は電気自動車の促進を優先項目に掲げており、アナリストらは、現代による米国投資は政権の電気自動車政策の恩恵に浴し、補助金や税制優遇を受けるのに不可欠だと指摘した。
イーベスト投資証券のアナリスト、Kevin Yoo氏は「現代が米国の電気自動車政策を完全に活用しようとするならば電気自動車の製造だけでなく、米国での主要部品調達も追求する必要がある」と述べた。
グループ傘下の現代自動車が22年に米国の工場で電気自動車の製造を開始するほか、関連会社の起亜自動車も米国内で電気自動車製造を計画している。現代はアラバマ州で工場1カ所を保有。起亜はジョージア州の工場で自動車を生産している。
現代はロイターに宛てた声明文で「米国の市場環境や米政府の新たな電気自動車政策を見極めた後に生産設備の拡大を含めた選択肢を評価する」とした。
米国を巡っては、現代の主要なバッテリーサプライヤーであるSKイノベーションが、フォルクスワーゲン(VW)とフォード向けの新工場建設を進めているほか、生産能力増強も計画している。
現代自動車グループは、投資の内訳については明らかにしていないものの、現代と起亜向けがメインだとしている。アナリストらによると、電気自動車向け設備が最大の投資先となる見通し。
現代は、水素ステーションの設置や水素スポーツ多目的車(SUV)「NEXO(ネッソ)」の展開で米国の政府やビジネスパートナーと協力するとした。
また、ロボット工学、アーバンエアモビリティ、自動運転技術にも投資するという。