[ワシントン 6日 ロイター] - 米国防総省は6日、トランプ前政権時代に米マイクロソフト (O:MSFT)と契約した総額100億ドルの大型クラウド契約を解約すると明らかにし、代わりに米アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)など複数の企業が参画するとみられる新たな計画を発表した。
同プロジェクトは「JEDI(Joint Enterprise Defense Infrastructure)」として知られる大型クラウド事業。2019年末にマイクロソフトが契約を獲得したが、アマゾンが訴えを起こしたことを受け、保留されていた。当時、トランプ氏はアマゾンを繰り返し批判していた。
国防総省はこの日、要件を満たせるのはマイクロソフトとアマゾンしかないとの見解を当初示したが、その後、政府の要件を満たせる場合、向こう3カ月で他のクラウドサービス提供業者にも対象を拡大すると表明した。
他のクラウド大手としては米オラクル (N:ORCL)、米アルファベット (O:GOOGL)傘下のグーグル、米IBM (N:IBM)などがある。
新たなプロジェクト名は「JWCC(Joint Warfighter Cloud Capability)」で、22年4月までに業者を選定したい考え。
国防総省のジョン・シャーマン最高情報責任者代行は、マイクロソフトとアマゾンはいずれも契約を受注するだろうとの見方を示した。
マイクロソフトは声明で、国防総省の新たなプロジェクトの契約を獲得できると確信していると述べた。
アマゾンのクラウド部門、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は「(当初の契約は)提案の利点に基づかず、政府調達にふさわしくない外部の影響力によるものだった」とし、国防総省の解約決定を支持すると表明。その上で、同省の近代化に向けた取り組みを引き続き支援していく考えを示した。
国防総省の発表を受け、米株式市場でマイクロソフトとアマゾンはいずれも終値での最高値を更新。アマゾンは4.7%上昇した。