[ストックホルム 12日 ロイター] - スウェーデン中銀の政策当局者がインフレ率の最近の上昇をほとんど懸念していないことが、中銀が12日に公表した政策会合の議事要旨で明らかになった。当局者は、政策の見直しには、より大幅かつ持続的なインフレ率上昇が必要との認識を示した。
スウェーデン中銀は今月1日、主要政策金利(レポ金利)を予想通りゼロ%に据え置いた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による影響は薄れてきたが、なお経済の下支えが必要と主張。インフレ圧力が強まる中、海外の中銀の一部よりも政策についてより慎重な姿勢を示した。
議事要旨によると「当局者は、インフレ期待を目標に沿った水準に固定することの重要性を強調した。平均のインフレ率が長い間、目標をアンダーシュートしてきたことを踏まえると、インフレ率が一時的に2%を上回ることは、これに寄与すると考えている」。
イングベス総裁は要旨で「スウェーデンに関して言えば、金融政策刺激を引き揚げるのは早過ぎる」とし「インフレ率がより持続的に目標に沿った水準で推移するよう、もう少し現状維持が必要だ」と述べた。
一方、ブレマン副総裁は、持続的なインフレ率上昇のリスクを完全に無視するのは早計と主張した。