ベアードのアナリストは、アップル（AAPL）のポジティブな見通しを維持し、同社株のレーティングを「アウトパフォーム」に据え置き、目標株価を200ドルから240ドルに引き上げた。この変更は、アップル・インテリジェンスと呼ばれる新機能の効果が期待されることが動機となっている。
同社はこれまで一貫してAAPL株を投資対象として推奨してきたが、その理由は、同社が製品・サービスの幅を広げ、サービスからの収入が増加し、キャッシュ創出が堅調であること、そして新製品・新技術の創出においてリーダーシップを発揮していることにある。
アップル・インテリジェンス（Apple Intelligence）の発売は、顧客のデバイスのアップデートを促すと予想され、特に、顧客のデバイスのアップデート速度が鈍化していた時期を経て、アップルの収益と一株当たり利益（EPS）を大幅に向上させると予測される。このアップデートの鈍化は、AT&Tとベライゾンが最近発表した、携帯電話をアップグレードする顧客数の減少を示すレポートによって浮き彫りになっている。
「AT&Tとベライゾンが報告した最近の記録的な低水準を含め、端末の更新率が減少している期間の後、Apple Intelligenceが顧客の端末更新の強力なインセンティブになると予想する」とアナリストは述べている。
ベアードは、2025会計年度のiPhone販売台数と売上高全体の予測をそれぞれ9.3%と5.9%引き上げており、これは市場の平均予測よりも若干高い。第3四半期についてベアードは、総収入は前年同期比1.6%増の831億ドル、サービスからの収入は12.8%増の239億ドルと予想している。
ただし、iPhoneの販売収入は前年比3.5％減の383億ドルとなる見通し。注目は、次期iPhoneが9月下旬に発売されると予想される第4四半期に移っている。ベアードは、第4四半期のiPhone販売による収益は1.2%増加し、EPSは4%増加すると予測している。
ベアードは、携帯電話のアップデート間隔が長くなったことで、iPhoneの旧モデルが大量に使用されるようになったと指摘し、全世界で10億台以上のiPhoneがアップデートの時期を迎えている可能性を示唆している。
同社は、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxのみに対応するApple Intelligence機能は、この新機能にアクセスするために、使用されている全iPhoneの約95%でアップグレードが必要になると指摘している。
ベアードの半導体調査チームは、販売業者からの初期反応は良好で、次期iPhoneの注文台数は9,000万台以上となり、8,000万台前半だった前年の数字から増加すると予測している。
さらにベアードは、iPhoneの販売台数が1,000万台増加するごとに、2025年度の売上高に約90億ドル、EPSに0.12ドルの増加が見込まれると予測している。
Apple Intelligenceは、生成モデルとパーソナライズされたユーザーデータを取り入れることでSiriの機能を向上させるもので、将来的にアップルの業績に大きな影響を与えると予想される。
その結果、ベアードでは2025年度のiPhoneの売上高予測を2,161億ドルに修正し、年間9.0%の成長を見込んでおり、サービスやその他の製品分野でも若干の増加が見込まれている。また、総売上高は4,181億ドル、EPSは7.30ドルに達すると予想している。
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