[東京 15日 ロイター] - 15日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比369円21銭高の2万8920円14銭と続伸した。前日の米国株式市場が大幅上昇したことを好感、幅広く物色され戻り相場に弾みを加えている。きょうの上昇によりテクニカル面で底打ちを確認したとみる関係者も多い。
14日の米国株式市場は、S&P総合500種が3月上旬以来の大幅な上昇率となった。この日発表された経済指標で、利上げ見通しを巡る懸念が後退した。9日までの1週間の新規失業保険申請件数は、前週比3万6000件減の29万3000件と約1年7カ月ぶりの低水準。9月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.5%上昇と8月の0.7%上昇から伸びが鈍化した。
これを受けて朝方から日本株は堅調に推移。テクニカル面では、日経平均が前日に終値で75日移動平均線を上回ったほか、前引け段階で強力な戻りの節目となっている200日移動平均線を超え「テクニカル面の改善が顕著になったことで、買い戻す動きが活発化した」(国内証券)という。
市場では「台湾積体電路製造(TSMC)の工場建設に政府が支援する方向となったことが、岸田政権による成長に関する具体的な施策として市場で認知され、政権が分配政策に傾斜するとの不安を後退させた」(東海東京調査センター・シニアストラテジストの中村貴司氏)との声が出ていた。
TOPIXは1.28%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆3353億6200万円と細り気味。東証33業種では、機械、電気機器、金属製品など景気敏感セクターの上昇が目立つ。一方、値下がりは空運業、農林・水産業の2業種のみだった。
個別では、東京エレクトロンなど半導体関連株が堅調だったほか、ソニーグループなど主力銘柄が総じてしっかり。半面、ファーストリテイリングがさえない。
東証1部の騰落数は、値上がりが1878銘柄、値下がりが234銘柄、変わらずが65銘柄だった。