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ソフトバンクG、中国株安で1年半ぶり最終赤字 孫会長「対中投資続ける」

発行済 2021-11-08 15:58
更新済 2021-11-08 22:36
© Reuters. ソフトバンクグループ(SBG)が発表した21年7─9月期は3979億円の純損失を計上した。写真は、同グループのロゴ。2021年2月4日に都内で撮影。(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 8日 ロイター] - ソフトバンクグループ(SBG)は8日、21年7─9月期の業績が3979億円の純損失になったと発表した。電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングなど中国の投資先ハイテク企業の株価が大きく下落したことが響いた。

<半期は黒字確保も「実質赤字」>

同社が四半期決算で最終赤字を計上するのは、20年1─3月期以来1年半ぶり。4─9月期を累計した半期純利益も、前年比8割減の3635億円と大きく減少した。

会見した孫正義会長は、経営指標として重視している保有株式の合計時価総額を示す時価純資産(NAV)が9月末時点で20.9兆円と、6月末の27.0兆円から急減したことを紹介。「投資家として最も大切な指標が、たった3カ月で6兆円減った。実質6兆円の赤字だ」と嘆いた。

SBG本体で出資するアリババに加え、ビジョン・ファンドも投資先の韓国ネット通販大手クーパンで1兆2212億円、中国配車サービスの滴滴出行(ディディ)で3210億円の損失を計上した。

<中国ではAI関連企業が続々誕生>

NAVを地域別でみると、中国の比率は36%まで低下。昨年9月末時点ではアリババ1社だけで59%に達していたが、ビジョン・ファンドの中国投資先も下落したことで、ファンドも1兆1670億円の投資損失を計上した。

しかし孫会長は、政府の規制強化によって様々な業界の株価が下落している中国に、投資を続ける方針を示した。「新たなAI関連企業が続々と生まれている。(そうした企業が)育つことを願い信じて投資を継続する」と語った。中国への投資比率が低下したことで「マネージできる範囲になった。健全な会社に小さく(資金を)入れていくので、心配していない」という。

<1兆円の自社株買い、延長戦も視野>

同時に、同社は発行済み株式の14.6%に当たる2億5000万株、1兆円を上限とする自社株買いを決議したと発表した。取得期間は11月9日─2022年11月8日。取得した自己株式は消却する予定。

投資先の時価純資産に対して、自社の時価総額が小さすぎると以前から主張していた孫会長は、(自社株の時価総額には)5割近いディスカウントが入っている。投資機会も失いたくないので、1年以内に(自社株買いが上限の1兆円まで)完了しない場合があり得るが、(期間を延期して)延長戦に入ってでも1兆円は実施したい」との考えを示した。

同社は業績見通しを開示していない。IBESがまとめたアナリスト12人による通期純利益の予想平均値は1兆3380億円。

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