[ブリュッセル 10日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会が韓国の現代重工業による大宇造船海洋の買収計画を承認しない見通しであることが、事情に詳しい関係者の話で明らかになった。競争上の懸念を和らげる措置が示されなかったことが理由。
造船で世界大手の一角を占める現代重工業は10日、欧州委による無条件の承認を期待していると表明した。
しかし、関係者によると、同社が非公式に提示した懸念解消への提案には造船所の売却が含まれていたものの、十分と言えるものではなく、正式な提案は一度も行われなかったため、統合計画は却下される可能性が高いという。
欧州委は現在3社ある造船大手が2社に減ることに懸念を抱いている。
現代は文書で、既に同買収計画を承認したシンガポール、中国、カザフスタンと同様の結論を欧州委にも期待していると表明。シェアだけでは市場支配力を測ることはできないとし、市場の動向を踏まえる必要があると訴えた。造船市場は構造的に1社で支配することはできないとの見解も示した。
欧州委は来年1月20日を判断期限としている。欧州委はコメントは控え、大宇造船はコメントの求めに応じていない。
欧州委が統合計画を実際に却下した場合、2019年に鉄鋼大手の独ティッセン・クルップとインドのタタ製鉄との共同事業を阻止する判断を下して以来となる。