[ワシントン 1日 ロイター] - 米供給管理協会(ISM)が1日に発表した3月の製造業景気指数は57.1と、前月の58.6から低下した。サプライチェーン(供給網)の逼迫(ひっぱく)を背景にした仕入れ価格上昇が続いたのが響いた。
市場予想は59.0だった。予想に反して低下したが、製造現場は雇用を増やして受注残に対応した。
指数は50が景気拡大・縮小の節目。50を超える数値は、米経済の11.9%を占める製造業の拡大を示している。
製造業の減速は、新型コロナウイルスの新規感染者数が大幅に減少し全米で規制解除が進む中で、支出がサービスに回帰していることも反映している。米政府が3月31日発表した2月の個人消費支出は、サービス支出の増加幅が過去7カ月で最大となり、モノへの支出は減少した。
3月のISMで、先行指標となる新規受注指数は53.8に低下。前月は61.7だった。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)によって旅行などのサービス需要が抑えられ、モノへの支出が急増していた。支出はサービスに戻ってきているが、製造業は依然として非常に低い在庫水準にとどまっているとみられる。顧客在庫は60カ月超にわたって極めて低水準の状態が続いている。
ロシアとウクライナの戦争が石油や小麦などの商品価格を押し上げ、世界のサプライチェーンの改善を遅らせたとみられる。
供給業者の納入を示す指数は65.4。前月の66.1から低下したものの、高い数値が続いている。50を上回ると納入の遅れを意味する。
仕入れ価格指数は、前月の75.6から87.1へ上昇。
雇用指数は、前月の52.9から56.3へ上昇。製造現場の労働者が増えたため受注残指数は60.0と、前月の65.0から低下した。