[26日 ロイター] - 米ゼネラル・エレクトリック(GE)は26日、通期業績見通しを1月時点から維持したものの、足元の傾向が続けば予想レンジの下限にとどまる見込みだと明らかにした。中国の新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)やウクライナ戦争を背景に、サプライチェーン(供給網)の混乱およびインフレ圧力が悪化したことが要因。
1月時の通期予想レンジは調整後1株利益で2.80─3.50ドル。増収率は1桁台後半、フリーキャッシュフローは55億─65億ドルと予想していた。
ラリー・カルプ最高経営責任者(CEO)はロイターに、これら全ての項目が予想の下限にとどまる見込みだと述べた。
株価はザラ場に2020年12月以来の安値を付けた。終値は10.3%安の80.59ドル。
供給制約やインフレ圧力の影響を和らげるため、GEは製品価格を値上げし、サービス契約に関して原価が一定水準を超えて大きく変動した場合に発注者に請求できる「エスカレーション条項」を宣言。生産性を改善してコストを抑えるため、部品の代替供給先の確保にも取り組んでいる。
カルプ氏は、今年の物価上昇率を完全に相殺することはできない見通しで、利益が下押しされると説明。ただ、一連の対策が第2・四半期と下半期の業績改善につながると述べた。インフレは「差し引きで当社にとって逆風になる」と語った。
ウルフ・リサーチのアナリストは、通期見通しに関する同社の見方について「残念ではあるが、サプライズではない」と述べた。
第1・四半期(3月まで)決算は、調整後1株利益が0.24ドルと予想を上回った。売上高は170億4000万ドル。市場予想は168億9000万ドルだった。
またロシアとウクライナの紛争および制裁措置に関連し、第1・四半期に2億ドルの税引前費用を計上したと発表した。
カルプ氏は、中国の状況は過去10日間で改善し、上海の施設に従業員が復帰できるまでになったと説明。ただ、不測の事態に備えて在庫や代替生産能力の構築を図っているという。
売上高全体の2%弱を占めるロシア事業は停止。電力部門にロシアが占める割合はこれよりも高い。