[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場では、S&P総合500種とナスダック総合が上昇して取引を終えた。米国債利回りが低下する中、前日に売られた大型成長株が買われた。
指標となる米10年債利回りは3年以上ぶりの高水準から低下し、3%を下回った。これを受けて銀行株は売られた。
ダウ工業株30種は小幅に下落。この日の値動きは荒く、主要3指数はいずれもマイナス圏とプラス圏を行き来する展開となった。あすの4月米消費者物価指数(CPI)や12日の米卸売物価指数(PPI)発表を控え、警戒感が見られた。
インフレを抑制するためには米連邦準備理事会(FRB)の一段と積極的な措置が必要になるのではとの懸念が、このところの市場の売り要因となってきた。
ロングボウ・アセット・マネジメントのジェイク・ダラーハイド最高経営責任者(CEO)は「懸念を背景にした売りだ」と指摘。FRBの利上げやインフレだけでなく、ウクライナ戦争やサプライチェーン問題、中国のロックダウン(都市封鎖)などあらゆる要因が懸念材料になっていると述べた。
アップルは1.6%上昇し、S&Pとナスダックを押し上げた。
バリュエーションが将来のキャッシュフローに左右されやすいテクノロジー株や成長株は、最近の市場の売りで打撃を受けてきた。ナスダックは年初来約25%下落している。
この日は、情報技術指数が1.6%高とS&P主要セクターの上げを主導した。S&Pグロース指数は0.9%高、バリュー指数は0.4%安。
製薬大手ファイザーは1.7%上昇。同業バイオヘイブンを116億ドルで買収すると発表した。バイオヘイブンは68.4%急伸した。
一方、フィットネス機器のペロトン・インタラクティブは8.7%下落。四半期売上高が23.6%減少し、資金繰りについて警告したことが嫌気された。
米取引所の合算出来高は154億5000万株。直近20営業日の平均は125億5000万株。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.36対1の比率で上回った。ナスダックでも1.34対1で値下がり銘柄数が多かった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 32160.74 -84.96 -0.26 32504.09 32752.17 31887.89
前営業日終値 32245.70
ナスダック総合 11737.67 +114.42 +0.98 11900.34 11944.94 11566.28
前営業日終値 11623.25
S&P総合500種 4001.05 +9.81 +0.25 4035.18 4068.82 3958.17
前営業日終値 3991.24
ダウ輸送株20種 14462.28 -8.08 -0.06
ダウ公共株15種 984.23 -13.82 -1.39
フィラデルフィア半導体 2900.13 +71.02 +2.51
VIX指数 32.99 -1.76 -5.06
S&P一般消費財 1173.40 -3.50 -0.30
S&P素材 510.79 -3.01 -0.59
S&P工業 782.85 -5.10 -0.65
S&P主要消費財 793.97 -6.05 -0.76
S&P金融 558.31 -4.49 -0.80
S&P不動産 261.32 -6.11 -2.29
S&Pエネルギー 583.66 +5.40 +0.93
S&Pヘルスケア 1477.69 +4.89 +0.33
S&P通信サービス 196.89 +1.64 +0.84
S&P情報技術 2401.85 +37.27 +1.58
S&P公益事業 359.02 -4.52 -1.24
NYSE出来高 13.16億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 26130 - 140 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 26110 - 160 大阪比