執筆：Yasin Ebrahim
Investing.com -- 米連邦準備制度理事会（FRB）が公表した5月のFOMC会合の議事要旨で、今年後半の引き締めペースを見直すための余地を残すため、利上げを迅速に実施する意向を示したことを受けて、水曜日のダウは上昇して引けた。
ダウ工業株30種平均は0.6%、191ドル、Nasdaqは1.5%、そしてS&P 500は0.95%、それぞれ上昇した。
議事要旨は、「FOMCは会合出席者がより中立的な金融政策スタンスに迅速に移行することが重要であると判断した」ことを示した。
AllianzのETF戦略責任者のJohan Grahn氏は2日、Investing.comのインタビューに応じ、早期に金利を引き上げることの意味は「景気後退が差し迫った場合、迅速な行動を行う必要があると伝えるためである」と述べた。
利上げを前倒しすることで、FRBが今年後半に政策の再調整を検討する余地が生まれる。
「6月と7月に0.5%の利上げを実施するだろう。なぜならその方が後で調整するのに最適な機会を与えられるからだ」と同氏は付け加えた。
この日は議事要旨公開後にApple (NASDAQ:AAPL)、Alphabet (NASDAQ:GOOGL)が下げ幅を減らし、セッション全体が安値となる中で引け値はAppleは小幅上昇し、Alphabetは下げ幅を減少させた。
また、Nordstromの四半期決算が小売業に対するセンチメントを改善させたことで、一般消費者株は全体相場を引き上げた。
Nordstrom (NYSE:JWN)は、第1四半期に予想以上の損失を計上したが、売上高は市場の予想を上回りコロナ流行前の水準に跳ね上がり、同社の株価は14%以上の上昇となった。
Credit Suisseは、「経済活動が再び活発になった中、同社は製品カテゴリーの優位性を持っている」と述べたが、今年後半の小売業者の不確かな経済的背景についての懸念も指摘した。
Dick’s Sporting Goods (NYSE:DKS) は通年の見通しを下方修正したが、第1四半期の業績は売上高と1株当たり利益の両方で上回った。尚、同社の株価は10％近く上昇した。
Urban Outfitters (NASDAQ:URBN)も、予想を下回る売上高とコスト上昇の影響を受ける中で、過去最高の売上高を発表した。市場では、同社の「Anthropologie」と 「Free People Movement」ブランドが好調であると指摘されている。
「厳しい状況にもかかわらず... Anthropologie と Free People Movement Anthroの売上高は、アパレル、ドレス、ファッションの需要により好調を維持している」B. Riley氏は述べている。また「我々は、消費者がファッションと季節衣料品を探すことで Anthropologieが見直されておりURBNが上向きを持っていると信じて続けている。」と述べた。
Bath & Body Works (NYSE:BBWI)、Under Armour (NYSE:UAA)、そして Ralph Lauren Corp (NYSE:RL)などが上昇し、Tesla（NASDAQ：{13994|TSLA}}の上昇もセクターを支えた。
Toll Brothers (NYSE:TOL)を筆頭に住宅株も上昇し、住宅市場の減速を指摘する最近の指標とは逆行する形となった。
同社は住宅ローン金利の上昇とマクロ経済の軟化の影響を強調しながらも、旺盛な住宅需要に支えられ、予想を上回る四半期決算を発表した。
Lennar (NYSE:LEN)、PulteGroup Inc (NYSE:PHM)、そしてTRI Pointe Homes (NYSE:TPH)も上昇した。
その他のニュースではBeyond Meat (NASDAQ:BYND)がインフルエンサーのKim Kardashian氏とのエンドースメント契約を発表し、13%以上跳ね上がった。