執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com -- 水曜日のダウは、景気減速に対する新たな懸念から銀行株が下落し、テクノロジー株も日中の反発が衰えて下落となった。
ダウ工業株30種平均は0.5%、176 ドル、Nasdaq は0.7%、S&P 500は0.8%、それぞれ下落した。
JPMorganのCEOのJamie Dimon氏が経済について言及し、景気減速に対する新たな懸念を示したため、銀行株を中心とする金融株が下落し、市場全体の最大の重荷となった。
これまで経済のリスクを「嵐雲」と表現してきた同氏は、より大きなリスクを予想して「ハリケーン」に備えるよう投資家に警告を発した。
JPMorgan Chase & Co (NYSE:JPM)は2%近くの下落となったが、SVB Financial(NASDAQ:SIVB)やState Street (NYSE:STT)など地方銀行株は、より大きく下落し、米国債利回りが低下する中で、前者は3%近く、後者は3%を超える下落となった。
米国10年債利回りは、FRBが水曜日に約9兆ドルのバランス・シートを縮小する計画を開始したため、3%近くまで急上昇した。
ハイテク株は、米国債の利回り上昇とMeta Platforms Inc (NASDAQ:FB)の下落に引っ張られ、上昇幅を狭めた後、まちまちな引け値となり水曜日の取引を終えた。
同社は水曜日、MetaはSheryl Sandberg氏が最高執行責任者(COO)を退任すると発表した。秋には後任として、Javier Olivan氏が最高成長責任者(COO)に就任する予定である。
Salesforce(NYSE:CRM)は、明るい見通しと予想を上回る四半期決算を発表し、株価は約10%の上昇となった。
「セールスフォースが発表した第1四半期決算における最大の収穫は、利益とFCF(フリー・キャッシュ・フロー)の成長に対する経営陣の揺るぎないコミットメント(自信)であり、これは今後も株価が上昇するために必要不可欠なものだと考えている」とドイツ銀行は述べ、株価の目標を260~300ドルとした。
5月の製造業活動は活発になったという指標が示されたが、求人数が低下したことで、経済に対する先行き見通しは暗い。
5月のISM製造業 購買担当者景気指数は、4月の55.4から56.1に上昇し、54.5へ低下するだろうという予想に反し強い結果となった。
4月の求人数は45万人減少したが、エコノミストは労働市場の圧迫は緩和されるとの見通しをすぐに示した。
「JOLTS(求人労働移動調査)の指標は、雇用ペースの減速を示唆するものではない。総雇用数と総離職数(退職+解雇+定年)の差を取ると、4月の雇用は553千件増加し、発表された雇用者数の増加より10万人ほど高いことを示唆している」とJefferiesは述べている。
Delta Air Lines Inc(NYSE:DAL)は、航空運賃の上昇にもかかわらず底堅い旅行需要に支えられ、現行の四半期の売上高はコロナ禍前の水準に戻るとの見通しを示した。但し、同社株は5%下落した。