執筆:Liz Moyer
Investing.com -- 木曜日の株式市場は、金曜日の雇用統計とFRBによる今月のFOMC会合を前に、引けにかけて急騰した。
FRBは、これまで示唆してきたように政策金利を0.5%引き上げることがほぼ確実視されている。そして、7月にも同様の引き上げが予想されている。しかし、その後の見通しは不透明である。インフレ率が低下した場合、9月の利上げを一旦停止するか、インフレ抑制のために通常の0.25%の引き上げに戻す可能性がある。
木曜日の雇用統計では、民間企業の雇用創出が予想を下回ったが、金曜日の政府統計では、5月の雇用動向についてより幅広い見方ができるだろう。尚、先週は新規失業保険申請件数が減少し、数十年来の低水準にある。
それでもなお、食料、住宅、燃料のコスト上昇に伴うインフレ圧力は続いている。今年は中間選挙があるが、政府の政策立案者にとって特に悩ましい問題であるガソリン価格は、夏の需要が高まるにつれて上昇を続けている。AAA(全米自動車協会)によると、木曜日には全米平均で1ガロン4.71ドル以上に達した。尚、1年前は1ガロン3.04ドルであった。
インフレはやや沈静化の兆しをみせているが、こうしたガソリン価格の高騰は沈静化を妨げる可能性がある。一方、OPECとその同盟国は木曜日、7月と8月に日量64万8000バレルまで増産することに合意し、これがガソリン価格を下げる効果を多少なりとも生む可能性がある。
最近、航空券の価格が上昇し、多くの路線で便数や座席数が減少しているにもかかわらず、航空会社は休暇を利用する旅行者の航空需要は旺盛であると発表している。航空業界はパイロットや客室乗務員が不足している中、需要に対応するのに苦労しており、夏の間に起こり得るあらゆる混乱にうまく対応するため、実際に乗客定員を削減している航空会社もある。
金曜日の市場に影響を与えると思われる3点を紹介する。
1. 雇用統計
今週は雇用に関する統計指標の発表が目白押しであり、金曜日には注目すべき5月の政府統計非農業部門雇用者数が発表される。アナリストは5月は32万5千人の雇用が増加したと予想している。尚、このデータは、米国東部時間午前8時30分に発表される。
2. 失業率
雇用統計と同時に、失業率も発表される。5月の失業率は、前月と同じ3.5%と予想されている。
3. 非製造業購買担当者景気指数(非製造業PMI)
非製造業購買担当者景気指数も同様に発表され、サービス業の景気状況を垣間見ることができる。アナリストは56.4と予想しており、4月の57.1を若干下回るとみている。