[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が16日、暗号資産(仮想通貨)ドージコインの投資家から2580億ドルの支払いを求める訴えを起こされた。原告側はマスク氏が「マルチまがいのやり方」でドージコインの価格を不当につり上げたと非難している。
ニューヨーク州南部地区連邦地裁にマスク氏を提訴したのは、ドージコイン投資家のケース・ジョンソン氏。訴状には「被告は2019年以降、ドージコインに本来的な価値がないと知りながら、取引を推奨してもうけを得た。マスク氏は世界一の富豪という地位を利用して、個人的利益や楽しみ、注目を浴びるために『ドージコインのマルチ商法』を運営し、操作した」と記されている。
ジョンソン氏は、ドージコインの昨年5月の最高値からの下落に伴う損失を860億ドルと算定した上で、その3倍の賠償金を要求したい考えだ。またマスク氏と同氏が経営する企業によるドージコインの取引推奨の禁止、およびドージコインは連邦とニューヨーク州の法律の下では賭博だと裁判所が宣言することも要請している。
ドージコインの昨年5月の価格は約0.74ドルで、16日はわずか0.058ドル前後だった。この仮想通貨を巡っては、ウォーレン・バフェット氏やビル・ゲイツ氏などからも価値があるのか疑問だとの声が出ていた。
マスク氏の弁護士にコメントを求めたが、回答はなかった。