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[東京 27日 ロイター] - 東芝は28日に定時株主総会を開き、非上場化を含めた今後の経営再建の舵取りを担う取締役候補13人の選任案を諮る。うち2人は「物言う株主(アクティビスト)」の出身者。現職の社外取締役が2人の選任に反対を表明する異例の展開で、株主の判断が注目される。
東芝が提案している取締役候補は、GCA創業者でM&A(買収・合併)アドバイザリー会社フーリハン・ローキー会長の渡辺章博氏のほか、主要株主である米ファラロン・キャピタル・マネジメントの今井英次郎氏、米エリオット・マネジメントのナビール・バンジー氏ら13人。
このうち今井氏とバンジー氏を巡っては、現職の社外取締役で指名委員会委員の綿引万里子氏が選任に反対し、6日公表の総会招集通知にその事実が注記される異例の事態に発展した。綿引氏は6日に会見し、「他の株主からは、アクティビスト寄り、特定の株主に偏っていると見えると言わざるを得ない」と懸念を示した。
しかし、今回の総会で退任する綱川智取締役会議長は「個人的な見解であり、2人を取締役候補者として支援する当社の立場に影響を与えるものではない」とする声明を発表。議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)と米グラスルイスも、会社提案の取締役候補13人全員に賛成を推奨した。
東芝は株主総会後、経営再建に向けて公募した戦略案を絞り込む。東芝が5月末に締め切った募集には10件の1次提案があり、うち8件が非上場化に関する案で、残り2件は上場維持を前提とした資本業務提携に関する案だった。東芝は最終選考に進む候補を決めた後、7月以降に資産査定の機会を設け、法的拘束力のある提案の提出を求める。
複数の関係者によると、米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)、香港のベアリング・プライベート・エクイティ・アジア、米ブラックストーン、米ベインキャピタル、カナダのブルックフィールド・アセット・マネジメント、MBKパートナーズ、米アポロ・グローバル・マネジメント、英CVCキャピタル・パートナーズが1次提案を提出した。複数のファンドが連合を組む可能性もあるという。
産業革新投資機構など日本のファンドのほか、複数の事業会社も参画を検討している。
原子力関連事業など経済安全保障上の重要技術を持つ同社を買収するには外為法に基づく政府審査を通る必要があり、非公開化には国内勢の参加が必要との指摘がある。