[パリ 7日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁 は7日、ウクライナ危機に伴う経済的影響をフランス政府だけで負担する余裕はないと述べた。フランス政府は新たなインフレ緩和策を議会に提出する準備を進めている。
マクロン大統領に宛てた年次書簡で、フランス政府が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下で経済を支えた「コストを度外視した」政策を実施することができないため、家計は一時的な購買力の低下に直面し、企業の利益率も低下を余儀なくされるだろうと指摘。欧州中央銀行(ECB)は近く利上げする意向だとし、フランスの経済問題はもはや債務負担を増やすことで対応できるものではないとした。
「マイナス金利やゼロ金利の時代は明らかに終わりを迎えた。フランスの公的債務にはコストや限界がないという、魅惑的だが危険な幻想を捨てなければならない」とした上で、欧州連合(EU)加盟国や投資家からのフランスの政治的信頼が危機に瀕しているとし、「信頼できる意欲的な」債務削減計画を求めた。
さらに政府は今後数年間の歳出増を押さえ、年金制度の見直しなど経済改革を実施する必要があるとした。