[シドニー 20日 ロイター] - オーストラリアのチャーマーズ財務相は20日、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)の物価目標や政策手段、政策委員会の構造などについて外部識者による点検作業を開始すると発表した。RBAの政策運営が批判を浴びていることに対応した。
チャーマーズ氏は公共放送のオーストラリア放送協会(ABC)で「われわれが短期的な経済の諸課題とともに、より長期的な難しい問題に対処しつつある点からすると、今こそRBAに独立した外部専門家が適切な目を向ける時期だ」と語った。
過去10年のほとんどの期間、物価上昇率が目標の2─3%を下回って推移したことでRBAを見る目は厳しくなっている。さらに最近では、新型コロナウイルスのパンデミック中に公表したガイダンスで利上げは早くて2024年以降と示唆していたにもかかわらず、足元の物価高騰を受けてこれまで3回連続の利上げに動き、8月にも追加利上げが予想される展開になった。
こうした中でチャーマーズ氏は「RBAの政策委員会の専門性や経験の幅広さや深さが私の関心を引く。物価目標の枠組みとRBAの使命、ガバナンス、組織のありようもだ」と述べた。
複数のメディアはチャーマーズ氏の発言を引用する形で、カナダ中銀元上級副総裁のキャロライン・ウィルキンス氏、オーストラリア国立大学経済学教授のレニー・フライマッキビン氏、元財務省高官のゴードン・デブラウアー氏の3人が点検作業を実行すると伝えている。
チャーマーズ氏はABCに「絶対的に最上級の能力を備えた3人」が点検を主導すると説明した。