■NSW (TYO:9739)の業績動向
2. セグメント別概況
セグメント別の業績は以下のとおり。
(1) エンタープライズソリューション
売上高は6,414百万円(前年同期比11.5%減)、営業利益は783百万円(同13.0%減)、営業利益率は12.2%(同0.2ポイント低下)となった。
売上高については、製造業向けシステムが堅調に推移したものの、前年同期の小売業向けシステム機器販売の反動により減収となった。
営業利益については、減収に伴う利益減のほか、研究開発にかかる費用の増加等により減益となった。
計画比では、小売業向けシステム機器販売の反動減や、半導体不足による下期への期ズレが発生したことにより、売上高は9.7%、営業利益は0.8%それぞれ下回った。
一方、受注残高は6,132百万円(同17.0%増)と好調であり、今後の売り上げ回復が期待される。
売上高の内訳を見ると、ビジネスソリューションの売上高は2,343百万円(前年同期比10.0%増)となった。
製造業・物流業向けERP※パッケージ提供を中心にビジネスが拡大し、順調に推移した。
また、既存顧客の深耕により、小売業向けが店舗系システムを中心に増加した。
金融・公共ソリューションの売上高は3,315百万円(同2.4%減)となった。
金融・保険業向けは、決済関連の開拓が進んだものの、案件の縮小により減少した。
官公庁・団体向けは既存顧客案件が拡大したものの、補助金申請システム案件の反動減が響いた。
システム機器販売の売上高は、既述のとおり、前年同期に好調だった小売業向けセミセルフレジ・POS関連機器販売の反動減により、755百万円(同56.1%減)となった。
※Enterprise Resource Planningの略で、企業が有する経営資源を一元管理しリアルタイムで経営判断に役立てるシステム。
(2) サービスソリューション
売上高は5,941百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益は136百万円(同10.9%減)、営業利益率は2.3%(同0.6ポイント低下)となった。
売上高は堅調に推移し増収となったが、利益については一部の低採算案件の影響や事業拡大に向けた体制強化及び戦略的投資により減益となった。
計画比では、売上高は8.0%上回った一方、営業利益は45.4%下回った。
営業利益が計画比を大きく下回った要因としては、前期に損失を計上した案件について、想定外の後処理が発生したことが挙げられる。
なお、既述のとおり、同セグメントは2020年3月期より独立したセグメントであり、事業拡大に向けた体制強化、新サービス展開のための先行投資などが影響し、他セグメントと比較し営業利益率が相対的に低い。
事業が軌道に乗り同社全体の業績に貢献するには、もう少し時間がかかるようだ。
一方、受注残高は6,389百万円(同29.4%増)と好調であり、今後の売上回復が期待される。
売上高の内訳を見ると、デジタルソリューションの売上高は1,377百万円(前年同期比19.0%増)となった。
IoT・AIはIoT関連のライセンス販売が堅調に推移したものの、低採算案件の対応による機会損失が発生した。
WEB・ECは既存顧客の深耕により堅調に推移し、拡大した。
クラウド・インフラサービスの売上高は4,564百万円(前年同期比9.2%増)となった。
クラウドは既存顧客深耕やデータ連携案件と連動したインフラ系開発が増加した。
インフラ・その他サービスはデータマネジメント分野が好調に推移し、拡大した。
(3) エンベデッドソリューション
売上高は4,643百万円(前年同期比11.1%増)、営業利益は691百万円(同20.5%増)、営業利益率は14.9%(同1.2ポイント上昇)となった。
売上高については、オートモーティブやモバイル開発、設備機器分野を中心に好調に推移した。
また、利益については、増収に伴う売上総利益の増加により増益となった。
計画比では売上高が5.5%、営業利益は19.2%それぞれ上回った。
マーケットは堅調で、組込み開発は売上・利益の積み上げができている。
既存顧客の深耕により生産性が向上し、利益率が上昇した。
引き続き高い利益率を維持しているが、既述のとおり技術的な参入障壁が高く、独立系の同社規模で同事業を手掛ける企業が少ないためと考えられる。
なお、受注残高についても2,455百万円(同12.1%増)と順調である。
売上高の内訳を見ると、同社の得意分野であるオートモーティブはIVI※1など既存領域の維持に加え、ADAS※2関連が拡大した。
モバイルはキャリア向けアプリ開発等が増加した。
設備機器は放送関連や関連アプリ開発、決済端末関連が好調に推移した。
通信は5G/ローカル5G関連案件が堅調に推移した。
※1 In-Vehicle Infotainment systemの略で、次世代の車載情報通信システムのこと。
※2 Advanced driver-assistance systemsの略で先進運転支援システムのこと。
車の衝突検知や位置判定などドライバーの運転操作を支援するシステムの総称。
(4) デバイスソリューション
売上高は4,128百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益は637百万円(同19.4%増)、営業利益率は15.4%(同1.3ポイント上昇)となった。
売上高は、需要の拡大が続く半導体市場を背景に好調に推移し増収となった。
利益については、増収に伴う売上総利益の増加により増益となった。
計画比では売上高が3.2%、営業利益が13.8%上回った。
エンベデッドソリューション同様、既存顧客の深耕により生産性が向上し利益率が上昇したほか、技術的な参入障壁が高く、独立系の同社規模で同事業を手掛ける企業が少ないこともあり、引き続き高い営業利益率を維持している。
なお、受注残高は2,706百万円(同11.6%増)と順調である。
売上高の内訳を見ると、LSI設計・開発・評価業務は堅調に推移し、拡大した。
また、業界全体の慢性的なリソース不足対策として、海外活用やパートナー連携を拡大した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
2. セグメント別概況
セグメント別の業績は以下のとおり。
(1) エンタープライズソリューション
売上高は6,414百万円(前年同期比11.5%減)、営業利益は783百万円(同13.0%減)、営業利益率は12.2%(同0.2ポイント低下)となった。
売上高については、製造業向けシステムが堅調に推移したものの、前年同期の小売業向けシステム機器販売の反動により減収となった。
営業利益については、減収に伴う利益減のほか、研究開発にかかる費用の増加等により減益となった。
計画比では、小売業向けシステム機器販売の反動減や、半導体不足による下期への期ズレが発生したことにより、売上高は9.7%、営業利益は0.8%それぞれ下回った。
一方、受注残高は6,132百万円(同17.0%増)と好調であり、今後の売り上げ回復が期待される。
売上高の内訳を見ると、ビジネスソリューションの売上高は2,343百万円(前年同期比10.0%増)となった。
製造業・物流業向けERP※パッケージ提供を中心にビジネスが拡大し、順調に推移した。
また、既存顧客の深耕により、小売業向けが店舗系システムを中心に増加した。
金融・公共ソリューションの売上高は3,315百万円(同2.4%減)となった。
金融・保険業向けは、決済関連の開拓が進んだものの、案件の縮小により減少した。
官公庁・団体向けは既存顧客案件が拡大したものの、補助金申請システム案件の反動減が響いた。
システム機器販売の売上高は、既述のとおり、前年同期に好調だった小売業向けセミセルフレジ・POS関連機器販売の反動減により、755百万円(同56.1%減)となった。
※Enterprise Resource Planningの略で、企業が有する経営資源を一元管理しリアルタイムで経営判断に役立てるシステム。
(2) サービスソリューション
売上高は5,941百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益は136百万円(同10.9%減)、営業利益率は2.3%(同0.6ポイント低下)となった。
売上高は堅調に推移し増収となったが、利益については一部の低採算案件の影響や事業拡大に向けた体制強化及び戦略的投資により減益となった。
計画比では、売上高は8.0%上回った一方、営業利益は45.4%下回った。
営業利益が計画比を大きく下回った要因としては、前期に損失を計上した案件について、想定外の後処理が発生したことが挙げられる。
なお、既述のとおり、同セグメントは2020年3月期より独立したセグメントであり、事業拡大に向けた体制強化、新サービス展開のための先行投資などが影響し、他セグメントと比較し営業利益率が相対的に低い。
事業が軌道に乗り同社全体の業績に貢献するには、もう少し時間がかかるようだ。
一方、受注残高は6,389百万円(同29.4%増)と好調であり、今後の売上回復が期待される。
売上高の内訳を見ると、デジタルソリューションの売上高は1,377百万円(前年同期比19.0%増)となった。
IoT・AIはIoT関連のライセンス販売が堅調に推移したものの、低採算案件の対応による機会損失が発生した。
WEB・ECは既存顧客の深耕により堅調に推移し、拡大した。
クラウド・インフラサービスの売上高は4,564百万円(前年同期比9.2%増)となった。
クラウドは既存顧客深耕やデータ連携案件と連動したインフラ系開発が増加した。
インフラ・その他サービスはデータマネジメント分野が好調に推移し、拡大した。
(3) エンベデッドソリューション
売上高は4,643百万円(前年同期比11.1%増)、営業利益は691百万円(同20.5%増)、営業利益率は14.9%(同1.2ポイント上昇)となった。
売上高については、オートモーティブやモバイル開発、設備機器分野を中心に好調に推移した。
また、利益については、増収に伴う売上総利益の増加により増益となった。
計画比では売上高が5.5%、営業利益は19.2%それぞれ上回った。
マーケットは堅調で、組込み開発は売上・利益の積み上げができている。
既存顧客の深耕により生産性が向上し、利益率が上昇した。
引き続き高い利益率を維持しているが、既述のとおり技術的な参入障壁が高く、独立系の同社規模で同事業を手掛ける企業が少ないためと考えられる。
なお、受注残高についても2,455百万円(同12.1%増)と順調である。
売上高の内訳を見ると、同社の得意分野であるオートモーティブはIVI※1など既存領域の維持に加え、ADAS※2関連が拡大した。
モバイルはキャリア向けアプリ開発等が増加した。
設備機器は放送関連や関連アプリ開発、決済端末関連が好調に推移した。
通信は5G/ローカル5G関連案件が堅調に推移した。
※1 In-Vehicle Infotainment systemの略で、次世代の車載情報通信システムのこと。
※2 Advanced driver-assistance systemsの略で先進運転支援システムのこと。
車の衝突検知や位置判定などドライバーの運転操作を支援するシステムの総称。
(4) デバイスソリューション
売上高は4,128百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益は637百万円(同19.4%増)、営業利益率は15.4%(同1.3ポイント上昇)となった。
売上高は、需要の拡大が続く半導体市場を背景に好調に推移し増収となった。
利益については、増収に伴う売上総利益の増加により増益となった。
計画比では売上高が3.2%、営業利益が13.8%上回った。
エンベデッドソリューション同様、既存顧客の深耕により生産性が向上し利益率が上昇したほか、技術的な参入障壁が高く、独立系の同社規模で同事業を手掛ける企業が少ないこともあり、引き続き高い営業利益率を維持している。
なお、受注残高は2,706百万円(同11.6%増)と順調である。
売上高の内訳を見ると、LSI設計・開発・評価業務は堅調に推移し、拡大した。
また、業界全体の慢性的なリソース不足対策として、海外活用やパートナー連携を拡大した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)