[チューリヒ 23日 ロイター] - スイスのプライベートバンク大手ジュリアス・ベアは23日、1─4月の運用資産が小幅に増加したことを明らかにした。資金流出入は流入超だった。市場環境は厳しいという。
同社は富裕層向け事業でスイスのUBSやクレディ・スイスと競合。クレディ・スイスを救済買収したUBSの先行きが不透明なことが業績に有利に働くとみられているが、一部のアナリストによると、両行の混乱の影響がジュリアス・ベアの業績に完全に反映されるには時間がかかる可能性がある。
純資金流入は昨年11─12月を下回る35億スイスフラン(39億4000万ドル)と、市場予想を下回った。年明けは低調なスタートだったが、その後上向いた。市場環境が不透明で顧客が借り入れとポートフォリオのリスクを減らしたという。
運用資産は4290億フランと、昨年末から1%の増加にとどまった。フランの対ドルでの上昇が圧迫要因となった。
同社のフィリップ・リッケンバッハー最高経営責任者(CEO)は2月、不祥事に見舞われたクレディ・スイスから昨年末に一部の資金が流入したとの見方を示していた。
1─4月の業績報告ではUBS、クレディ・スイスへの言及はなかったものの、リレーションシップマネジャーの増員で年内にさらに資金を呼び込めるとの見方を示した。