*12:13JST 日経平均は大幅に3日続伸、メジャーSQに向け33000円目指す展開に現実味
日経平均は大幅に3日続伸。
521.61円高の32045.83円(出来高概算7億3552万株)で前場の取引を終えている。
2日の米株式市場でダウ平均は701.19ドル高(+2.12%)と大幅続伸。
財政責任法案が上院で可決、債務不履行(デフォルト)が回避されたことで買いが先行。
5月雇用統計は強弱入り混じる内容だったが、今月13-14日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)
での利上げ一時停止の予想を変更させるほどの内容ではないとの見方から相場を一段と押し上げた。
ナスダック総合指数は+1.06%と続伸。
米株高を引き継いで日経平均は339.9円高からスタート。
再び140円台に乗せた円安・ドル高や中国による経済政策期待も手伝い、景気敏感株を中心に買いが加速。
心理的な節目を前にもみ合う場面もあったが、前場中ごろには32000円を突破、その後も堅調な展開が続いた。
個別では、中国が不動産市場を支える新たな一連の措置を検討との報道を受け、コマツ (TYO:6301)、日立建機 (TYO:6305)の建機関連、神戸製鋼所 (TYO:5406)、JFE (TYO:5411)の鉄鋼、三菱マテリアル (TYO:5711)、DOWA (TYO:5714)の非鉄金属、三井物産 (TYO:8031)、三菱商事 (TYO:8058)の商社のほか、安川電機 (TYO:6506)、SMC (TYO:6273)などの中国売上比率の高い銘柄が軒並み高。
政府の水素供給網の整備に向けた方針を材料に岩谷産業 (TYO:8088)、川崎重 (TYO:7012)も大きく上昇。
「OPECプラス」による協調減産の2024年末までの延長およびサウジアラビアによる日量100万バレルの追加減産を受け、INPEX (TYO:1605)、石油資源開発 (TYO:1662)も高い。
既存店売上高が好感されたファーストリテ (TYO:9983)も上昇。
ソシオネクスト (TYO:6526)、アドバンテスト (TYO:6857)、ルネサス (TYO:6723)などの半導体も強い動き。
一方、ニデック (TYO:6594)、東京電力HD (TYO:9501)、楽天グループ (TYO:4755)、新光電工 (TYO:6967)
は軟調。
既存店売上高のマイナス成長が嫌気されたニトリHD (TYO:9843)は下落。
今期が減益見通しで市場予想を大幅に下振れたアインHD (TYO:9627)は東証プライム市場の値下がり率トップ。
ほか、値下がり率上位にはピックルスHD (TYO:2935)、リニカル (TYO:2183)、F&LC<
3563>などが並んでいる。
セクターでは繊維製品、機械、鉱業が上昇率上位に並んだ一方、電気・ガスのみが下落した。
東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の87%、対して値下がり銘柄は12%となっている。
日経平均は大幅に3日続伸、前場の間に節目の32000円を超えてきている。
今週末には株価指数先物・オプション取引6月限の特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えている。
権利行使価格32000円にはコール(買う権利)の建玉が大幅に積み上がっているため、日経平均がこの水準を超えてきたとなると、ディーラーなどコールの売り手によるヘッジ目的の先物買いの加速が想定され、ここから一段と上値を追う展開が予想される。
米国で債務上限を停止させる財政責任法案が上下院にて可決、3日にはバイデン大統領が署名し成立したことで、米国のデフォルト(債務不履行)は回避された。
また、米5月雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大幅に上回った一方、平均時給の伸びは前年比で鈍化、失業率は予想以上に上昇するなど、逼迫した労働市場の緩和を示唆する面も見られた。
こうした外部環境の不透明感の後退やイベント通過に伴うあく抜け感などから、米国では投資家の先行き不安心理を表すVIX指数が先週末には14.6と15を下回り、警戒水準の20を大幅に下放れる状況になった。
加えて、外為市場ではドル円が再び140円台に乗せるなど円安・ドル高が進んでいる。
また、先週末、中国が不動産市場を支える新たな一連の措置を検討していると報じられた。
中国当局は主要都市の中心部以外で物件の手付金比率を引き下げることや、仲介手数料の減額を検討しているという。
東証によるPBR改善要請やバフェット効果、日銀による金融緩和の継続など、国内独自の要因で大幅に上昇してきた日本株だが、いまは米中に関する外部環境の改善も追い風に一段と騰勢を強める展開となっている。
上述したように今週末のメジャーSQまでは売り手のヘッジ目的の先物買いの関係で、今後日経225先物や日経平均は33000円を目指す展開が想定されよう。
一方、リスクにはなりにくいとはいえ、今月は各国中央銀行による金融政策決定会合が相次いで開催される。
また、米債務上限問題は解消されたが、今後は米財務省が減少していた手元資金を拡充するため、大量の債券を発行する見込みだ。
これに伴い、市場の流動性が低下し、株式や債券のパフォーマンスにも悪影響がもたらされることが指摘されている。
米国でも、株価指数先物取引および株価指数オプション取引、個別株オプション取引の3つの取引期限満了日が重なるトリプルウィッチング(米国版メジャーSQ)が近づくまでは良好な需給環境が株価の上昇をもたらすことが予想される。
しかし、米VIX指数の15割れはやや楽観に傾き過ぎている印象も拭えない。
目先は強気維持でも日米のSQ通過後の基調転換には注意したい。
(仲村幸浩)
521.61円高の32045.83円(出来高概算7億3552万株)で前場の取引を終えている。
2日の米株式市場でダウ平均は701.19ドル高(+2.12%)と大幅続伸。
財政責任法案が上院で可決、債務不履行(デフォルト)が回避されたことで買いが先行。
5月雇用統計は強弱入り混じる内容だったが、今月13-14日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)
での利上げ一時停止の予想を変更させるほどの内容ではないとの見方から相場を一段と押し上げた。
ナスダック総合指数は+1.06%と続伸。
米株高を引き継いで日経平均は339.9円高からスタート。
再び140円台に乗せた円安・ドル高や中国による経済政策期待も手伝い、景気敏感株を中心に買いが加速。
心理的な節目を前にもみ合う場面もあったが、前場中ごろには32000円を突破、その後も堅調な展開が続いた。
個別では、中国が不動産市場を支える新たな一連の措置を検討との報道を受け、コマツ (TYO:6301)、日立建機 (TYO:6305)の建機関連、神戸製鋼所 (TYO:5406)、JFE (TYO:5411)の鉄鋼、三菱マテリアル (TYO:5711)、DOWA (TYO:5714)の非鉄金属、三井物産 (TYO:8031)、三菱商事 (TYO:8058)の商社のほか、安川電機 (TYO:6506)、SMC (TYO:6273)などの中国売上比率の高い銘柄が軒並み高。
政府の水素供給網の整備に向けた方針を材料に岩谷産業 (TYO:8088)、川崎重 (TYO:7012)も大きく上昇。
「OPECプラス」による協調減産の2024年末までの延長およびサウジアラビアによる日量100万バレルの追加減産を受け、INPEX (TYO:1605)、石油資源開発 (TYO:1662)も高い。
既存店売上高が好感されたファーストリテ (TYO:9983)も上昇。
ソシオネクスト (TYO:6526)、アドバンテスト (TYO:6857)、ルネサス (TYO:6723)などの半導体も強い動き。
一方、ニデック (TYO:6594)、東京電力HD (TYO:9501)、楽天グループ (TYO:4755)、新光電工 (TYO:6967)
は軟調。
既存店売上高のマイナス成長が嫌気されたニトリHD (TYO:9843)は下落。
今期が減益見通しで市場予想を大幅に下振れたアインHD (TYO:9627)は東証プライム市場の値下がり率トップ。
ほか、値下がり率上位にはピックルスHD (TYO:2935)、リニカル (TYO:2183)、F&LC<
3563>などが並んでいる。
セクターでは繊維製品、機械、鉱業が上昇率上位に並んだ一方、電気・ガスのみが下落した。
東証プライム市場の値上がり銘柄は全体の87%、対して値下がり銘柄は12%となっている。
日経平均は大幅に3日続伸、前場の間に節目の32000円を超えてきている。
今週末には株価指数先物・オプション取引6月限の特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えている。
権利行使価格32000円にはコール(買う権利)の建玉が大幅に積み上がっているため、日経平均がこの水準を超えてきたとなると、ディーラーなどコールの売り手によるヘッジ目的の先物買いの加速が想定され、ここから一段と上値を追う展開が予想される。
米国で債務上限を停止させる財政責任法案が上下院にて可決、3日にはバイデン大統領が署名し成立したことで、米国のデフォルト(債務不履行)は回避された。
また、米5月雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を大幅に上回った一方、平均時給の伸びは前年比で鈍化、失業率は予想以上に上昇するなど、逼迫した労働市場の緩和を示唆する面も見られた。
こうした外部環境の不透明感の後退やイベント通過に伴うあく抜け感などから、米国では投資家の先行き不安心理を表すVIX指数が先週末には14.6と15を下回り、警戒水準の20を大幅に下放れる状況になった。
加えて、外為市場ではドル円が再び140円台に乗せるなど円安・ドル高が進んでいる。
また、先週末、中国が不動産市場を支える新たな一連の措置を検討していると報じられた。
中国当局は主要都市の中心部以外で物件の手付金比率を引き下げることや、仲介手数料の減額を検討しているという。
東証によるPBR改善要請やバフェット効果、日銀による金融緩和の継続など、国内独自の要因で大幅に上昇してきた日本株だが、いまは米中に関する外部環境の改善も追い風に一段と騰勢を強める展開となっている。
上述したように今週末のメジャーSQまでは売り手のヘッジ目的の先物買いの関係で、今後日経225先物や日経平均は33000円を目指す展開が想定されよう。
一方、リスクにはなりにくいとはいえ、今月は各国中央銀行による金融政策決定会合が相次いで開催される。
また、米債務上限問題は解消されたが、今後は米財務省が減少していた手元資金を拡充するため、大量の債券を発行する見込みだ。
これに伴い、市場の流動性が低下し、株式や債券のパフォーマンスにも悪影響がもたらされることが指摘されている。
米国でも、株価指数先物取引および株価指数オプション取引、個別株オプション取引の3つの取引期限満了日が重なるトリプルウィッチング(米国版メジャーSQ)が近づくまでは良好な需給環境が株価の上昇をもたらすことが予想される。
しかし、米VIX指数の15割れはやや楽観に傾き過ぎている印象も拭えない。
目先は強気維持でも日米のSQ通過後の基調転換には注意したい。
(仲村幸浩)