[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米金融大手ゴールドマン・サックスは28日、個人富裕層向けのウェルスマネジメント事業の一部を独立系ウェルスマネジメント会社クリエイティブ・プランニングに売却することで合意したと発表した。「超富裕層」向けサービスに経営資源を集中させる。
売却価格は非公表で、第4・四半期中に売却を完了し、利益を見込むとした。
ゴールドマンは昨年、組織を3部門に再編して消費者向け事業の縮小に着手しており、今回の売却も事業戦略転換の一環となる。
同社は2019年に登録投資顧問(RIA)のユナイテッド・キャピタル・フィナンシャル・パートナーズを7億5000万ドルで買収していた。ただ、超富裕層向けの中核サービスに比べるとRIA事業は比較的規模が小さかった。
超富裕層は6000万ドル以上の投資可能資産があり、ゴールドマンのウェルスマネジメント部門は超富裕層から預かった1兆ドルの資産を管理している。一方、事業売却が検討されている一般富裕層向けの投資可能資産は100万─1000万ドル。
同社の資産・ウェルスマネジメント部門グローバル責任者、マーク・ナックマン氏はロイターに、超富裕層向けなど中核事業や成長戦略により多くの資金を投じる戦略を現在取っていると説明した。
ジェフリーズの銀行アナリスト、ダニエル・ファノン氏は調査ノートで、今回の事業売却はゴールドマンによる中核事業の合理化や消費者中心のレガシー(遺産)事業重視からの脱却と整合的な動きだと指摘した。
クリエイティブ・プランニングの運用・アドバイザリー資産の合計は2450億ドルに上る。