Nupur Anand
[ニューヨーク 11日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は11日の投資家向け会合で、米規制当局が一連の経営破綻などを受けて提案している銀行資本規制の厳格化を強く批判し、銀行による融資引き揚げを促して経済成長を阻害しかねないと警告した。
ダイモン氏はこの提案について「非常に失望している」と述べ、当局がその妥当性を明確に説明できていないとこき下ろした。
さらに「私が望む全ては公正さと透明性、開放性」だと主張。当局がこの提案で達成しようとしていることへの疑念を示した。
一方中国市場についてダイモン氏は、以前ほど魅力的でなくなったとの見方を披露。5月に中国を訪問して警戒感を強めたと明かした。
米経済に関しても、ダイモン氏は相対的に慎重な姿勢を取り、「リアルタイムの指標を読み取る上で人々は誤っていると思うし、将来に目を向けていない」と指摘。ウクライナで戦争が続いていることや、今後米連邦準備理事会(FRB)の大規模緩和の巻き戻しによる「量的引き締め」が効いてくる点を挙げて、この先何年も好況で推移すると想定するのは大間違いだと付け加えた。