[日経平均株価・TOPIX(表)]
日経平均;32665.71;+197.95TOPIX;2368.99;+8.51
[後場の投資戦略]
前日の週明けの米株式市場ではレーティング格上げが材料視された電気自動車(EV)大手のテスラを筆頭にアマゾン・ドット・コムやメタ・プラットフォームズなどハイテク株が大きく上昇し、ナスダック総合指数は+1.13%と続伸した。
米10年債利回りが4.29%と(先週末8日は4.27%)と上昇するなかでも米ハイテク株が上昇したことは目先の安心感を誘う。
一方、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は+0.09%とほぼ横ばいにとどまった。
また、日本では先週末の一部報道を受けて、日本銀行がマイナス金利の解除に想定以上に早く取り掛かるのではとの思惑が高まり、国内の長期金利が上昇してきていることも重しになっている。
新発10年物国債利回りは11日に0.705%と、2014年1月以来およそ9年8カ月ぶりの水準にまで上昇したが、本日は0.720%まで上値を伸ばしている。
日米の長期金利の上昇を受けて、東京市場でもハイテク株、とりわけ半導体株の下落が目立っている。
生成AI(人工知能)関連の筆頭格として注目されてきたアドバンテスト (TYO:6857)は下落トレンドが強まっており、日足ではサポートになりそうな移動平均線が200日線くらいしか見当たらない。
週足では13週線を下回って26週線も下回りそうなところまで下げてきている。
26週線も下回ってしまうようだと、株価の調整は一段と厳しいものになりそうだ。
また、半導体株の中でも比較的値持ちのよかったディスコ (TYO:6146)も本日は大きく下落し、遂に25日線を割り込んできている。
半導体株の調整色が続くなか、日米の長期金利の上昇を通じて、買いづらさが意識される対象は次第にハイテク全般から内需系のグロース(成長)株にまで広がってきている印象がある。
前日急伸した銀行株は本日も底堅い動きを見せているが、買える対象が銀行株に限られてきた感もあり、ムードは良くない。
12日には米アップルの新製品発表イベントが開催されるが、中国による同社への規制が強化されるなか、期待感は萎んでいるように見受けられる。
イベントをもって同社株をはじめハイテク株の動きが好転していく可能性は低そうだ。
その後に米消費者物価指数(CPI)、欧州中央銀行(ECB)定例理事会、米卸売物価指数(PPI)
などの重要イベントが控えていることを踏まえれば、なおさらだろう。
日銀の政策修正観測が高まり、来週には日米の金融政策決定会合も控えるなか、ハイテク株は当面上値の重い展開が続きそうだ。
(仲村幸浩)
日経平均;32665.71;+197.95TOPIX;2368.99;+8.51
[後場の投資戦略]
前日の週明けの米株式市場ではレーティング格上げが材料視された電気自動車(EV)大手のテスラを筆頭にアマゾン・ドット・コムやメタ・プラットフォームズなどハイテク株が大きく上昇し、ナスダック総合指数は+1.13%と続伸した。
米10年債利回りが4.29%と(先週末8日は4.27%)と上昇するなかでも米ハイテク株が上昇したことは目先の安心感を誘う。
一方、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は+0.09%とほぼ横ばいにとどまった。
また、日本では先週末の一部報道を受けて、日本銀行がマイナス金利の解除に想定以上に早く取り掛かるのではとの思惑が高まり、国内の長期金利が上昇してきていることも重しになっている。
新発10年物国債利回りは11日に0.705%と、2014年1月以来およそ9年8カ月ぶりの水準にまで上昇したが、本日は0.720%まで上値を伸ばしている。
日米の長期金利の上昇を受けて、東京市場でもハイテク株、とりわけ半導体株の下落が目立っている。
生成AI(人工知能)関連の筆頭格として注目されてきたアドバンテスト (TYO:6857)は下落トレンドが強まっており、日足ではサポートになりそうな移動平均線が200日線くらいしか見当たらない。
週足では13週線を下回って26週線も下回りそうなところまで下げてきている。
26週線も下回ってしまうようだと、株価の調整は一段と厳しいものになりそうだ。
また、半導体株の中でも比較的値持ちのよかったディスコ (TYO:6146)も本日は大きく下落し、遂に25日線を割り込んできている。
半導体株の調整色が続くなか、日米の長期金利の上昇を通じて、買いづらさが意識される対象は次第にハイテク全般から内需系のグロース(成長)株にまで広がってきている印象がある。
前日急伸した銀行株は本日も底堅い動きを見せているが、買える対象が銀行株に限られてきた感もあり、ムードは良くない。
12日には米アップルの新製品発表イベントが開催されるが、中国による同社への規制が強化されるなか、期待感は萎んでいるように見受けられる。
イベントをもって同社株をはじめハイテク株の動きが好転していく可能性は低そうだ。
その後に米消費者物価指数(CPI)、欧州中央銀行(ECB)定例理事会、米卸売物価指数(PPI)
などの重要イベントが控えていることを踏まえれば、なおさらだろう。
日銀の政策修正観測が高まり、来週には日米の金融政策決定会合も控えるなか、ハイテク株は当面上値の重い展開が続きそうだ。
(仲村幸浩)