Tatiana Bautzer
[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米金融大手シティグループのジェーン・フレイザー最高経営責任者(CEO)は、幹部の体制を大幅に変える組織再編を発表した。組織の簡素化が狙いで、フレイザー氏の直接的な監督権限が強化される。再編に伴い人員削減も予想される。
フレイザー氏はニューヨークで13日開催した投資家会議で説明。「株主への約束を果たすため、大胆な決断を下している」とし、今回の組織再編で「銀行全体の不要な複雑さが解消される」として事業の立て直しに向けた中期目標の達成に貢献するとの見方を示した。
シティの5部門の責任者はフレイザー氏の直属となる。それぞれの責任者はサービス部門がシャミール・カリク氏、マーケット部門がアンドリュー・モートン氏、投資とコーポレート・バンキング部門が暫定的にピーター・バベジ氏、米コンシューマー・バンキング部門がゴンサロ・ルケッティ氏、富裕層の資産を運用するウェルス部門が今月中に入社するアンディ・シーグ氏となる。
また、北米以外に置いていた地域統括職を廃止し、米国外の事業は国際部門の下に集約する。これまで最大部門だったインスティテューショナル・クライアンツ・グループ(ICG)と個人・富裕層向け事業の管理職は廃止された。
フレイザー氏はこの変更について「組織内の説明責任を強化する」と述べた。
また従業員に対するメモで、今回の組織再編は「従業員の役割の変更や退職につながる」と説明した。
削減の規模や業績への影響は明らかになっていない。マーク・メイソン最高財務責任者(CFO)は今年の費用見通しを据え置くと述べた。
フレイザー氏は2021年の就任以降、収益改善や合理化に取り組んできた。事業売却や規制問題への対応を進めているが、株価は同業他社と比べて見劣りしている。