Stefania Spezzati
[ロンドン 19日 ロイター] - スイス金融大手クレディ・スイスが半年前、同業のUBSに救済買収されたことを巡り、クレディが財務の健全性について投資家の判断を誤った方向に導いていなかったかどうかを判断するため、米当局が証拠提出を求めていることが分かった。
UBSは8月31日に提出した4─6月期の財務報告書で、クレディが米証券取引委員会(SEC)や司法省、スイス金融監督局(FINMA)などから「文書や情報の提供」を要請されたことを明らかにした。
また、2022年遅くに顧客の現金引き出しに関して誤った情報を発表したとして、クレディや、現在および過去の役員らに対する集団訴訟が米国で3件、提起されたことを明かした。クレディは当局に協力しているという。
SECと司法省、FINMAがどの時期の情報開示に注目しているかは不明。
ロイターは2月末、クレディのアクセル・リーマン会長(当時)が昨年12月上旬、資金流出は落ち着いたと語ったことが、誤解を招く可能性があったかどうかをFINMAが精査中だと伝えた。この時、クレディとリーマン氏はコメントを控えていた。
FINMAは3月1日、クレディに対して法的手続きを取るには証拠が不十分であるとの見解を示した。 リーマン氏はコメントの要請に応じなかった。