Suzanne McGee
[12日 ロイター] - 米国の大手資産運用会社が現在、新規の上場投資信託(ETF)を大量発行したり、既存ミューチュアルファンドをETFに転換したりするなどの手段で、遅ればせながら投資家のETF需要に便乗しようとしている。
ゴールドマン・サックスとカラモス・インベストメント・マネジメントは最近、アクティブ運用型のETFを組成した。モルガン・スタンレーはアクティブ運用型ミューチュアルファンド2本をETFに転換する計画を発表した。
モーニングスター・ダイレクトによると、年初から6日までに発行されたETF376本中、約75%がアクティブ運用型。この割合は昨年が63%、2019年は36%にとどまっていた。
ETFは手数料の低さに加え、流動性と透明性の高さから投資家の人気を集めており、過去5年間で伝統的なミューチュアルファンドからETFに移行する投資家が増えている。
米国のETF総額は5年で倍増して7兆4000億ドルに達した一方、ミューチュアルファンドは14%減って15兆3000万ドルとなった。
ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのブレンダン・マッカーシー氏は「業界参加者の一部は遅れを取り戻そうと頑張っている」と述べた。
モーニングスターのアナリスト、ブライアン・アーマー氏によると、ETF全体に占めるアクティブ運用型の割合はまだ6%にすぎないが、今年これまでに運用資産総額が23%も増えている。従来のパッシブ運用型ETFはこの間、4.5%の増加にとどまった。
多くの大手資産運用会社は、ストックピッキング(銘柄選別)のスキルを自らの強みとして自認している。
大手はETFブームに追い付くため、既存ミューチュアルファンドのETFへの転換や、花形ファンドマネジャーの獲得といった手段も講じている。