Mimosa Spencer
[パリ 24日 ロイター] - フランスの高級ブランドグループ、ケリングが24日発表した第3・四半期の売上高は、為替変動などの影響くベースで前年同期比9%減の44億6000万ユーロ(47億2000万ドル)となった。主力の「グッチ」など幅広いブランドで販売が鈍り、市場予想の6%減を上回る大幅な落ち込みとなった。
年間売上高の半分以上を占めるグッチの売上高は約7%減少。最近まで高い成長を遂げていたより小規模なブランドの売上高も不振で、「イブサンローラン」は12%、「ボッテガ・ヴェネタ」は7%それぞれ減少した。
ジャン・マルク・デュプレ副最高経営責任者(CEO)は記者団に対し、マクロ経済環境の悪化に加えて、値引きを減らし、ブランドの高級化を図るために卸売りルートでの販売を減らして流通を内製化する同社の取り組みが業績に反映したと説明した。
高インフレと景気の先行き不透明感から消費者の高級品購買意欲は全般に冷え込んでいるが、ケリングの業績はライバル勢の後塵を拝している。
「ルイ・ヴィトン」を展開する仏LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)が今月発表した第3・四半期売上高は、伸びこそ鈍化したものの前年同期比9%増加。仏エルメスが24日発表した第3・四半期売上高は15.6%増加した。
ケリングは現在、グッチの立て直しを図っており、新たに就任したクリエイティブディレクターが9月にミラノで自身初のファッションショーを開催した。ただ新作が店頭に並ぶのは来年初めとなる。