Matt Tracy
[20日 ロイター] - 米金融大手モルガン・スタンレーは17日付のリポートで社債投資家に対し、来年にかけて質の高い投資適格級債と高利回り債に重点を置くことを推奨した。相次ぐ返済期限の到来は、よりジャンク級の企業にリスクをもたらすという。
モルガン・スタンレーは、経済が来年にソフトランディング(軟着陸)すると見込まれる中、米連邦準備理事会(FRB)が利上げサイクルの終了に近付いているとの見方を示した。
同社によると、年内に返済期限を迎えるジャンク債の大半は堅調に推移してきたが、向こう1年半ではさらに730億ドル相当が償還され、その後の6カ月で償還額は1250億ドル相当に膨らむ。
来年に償還される質の高いジャンク債は、現在よりも125─250ベーシスポイント(bp)高い金利でのリファイナンスが必要になる公算が大きい。
リポートは「金利が着々と上がるのを目にしてきた融資の借り手とは異なり、(高利回り債の)発行体は、より劇的な表面金利上昇の『衝撃』に直面することになる」と指摘。より質の低いジャンク債の発行体にとっては、状況はさらに厳しいと警告した。