Corina Pons Helen Reid
[マドリード/ロンドン 11日 ロイター] - ファッションブランド「ZARA(ザラ)」は11日、手足のないマネキンや白い布で包まれた彫像をあしらった広告をアプリやウェブサイトのトップページから削除した。その上で、誤解が生じたことに遺憾の意を示した。
「アトリエ」(Atelier)コレクションの広告キャンペーンで、一部の親パレスチナ活動家が不買運動を呼びかけていた。
ザラを展開するスペインのアパレル大手インディテックスはコンテンツを更新する通常の手順の一部と説明した。パレスチナのイスラム組織ハマスとイスラエルが衝突する前の7月に同コレクションは考案され、写真は9月に撮影されたと指摘した。
ザラのインスタグラムアカウントにはこの写真について何万件ものコメントが寄せられ、多くはパレスチナの旗を掲げていた。X(旧ツイッターでは「#BoycottZara(ボイコットザラ)」がトレンド入りしていた。
ザラの決定は世界的ブランドがガザ紛争を巡る微妙な問題に対処することの難しさを浮き彫りにしている。ザラは一部から無神経な広告との批判を受けて思い切った措置を講じた最初の主要欧米ブランドとなった。
ザラが公開した写真にはモデルが白衣に包まれたマネキンを抱えている姿や、床に横たわる胸像、腕のないマネキンなどが含まれていた。これについてパレスチナ自治区ガザで白い布をかけられた遺体をほうふつさせるとの批判が出ていた。
ザラは12日、広告キャンペーンについて「残念ながら、一部の顧客は、すでに削除されたこうした画像を不快に感じ、作成時の意図とは全く異なる受け止め方をした」とインスタグラムに投稿。「こうした誤解を遺憾に思う。当社は全ての人に対する深い尊敬の念を再確認する」と述べた。