[ニューヨーク 18日 ロイター] - 米国株式市場は上昇して取引を終えた。週内に発表される重要な経済指標を控え、市場参加者は来年の米利下げ期待の高まりを消化した。
幅広い銘柄が買われ、S&P総合500種とナスダック総合が底堅い上昇を見せた。S&P500は終値ベースの最高値まであと約1.2%の水準となった。ダウ工業株30種はほぼ横ばいで引けた。
USバンク・ウェルス・マネジメントの投資ストラテジスト、トム・ハインリン氏は「市場は米連邦準備理事会(FRB)が来年に利下げを開始するという方向に向かっている」とし、「インフレ、個人消費、労働市場などの指標には急速な悪化も過熱も見られず、ゴルディロックス(適温経済)のシナリオが続いている」と述べた。
FRB当局者からは市場の早期利下げ観測をけん制する発言が出た。シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は18日、先週のパウエルFRB議長の発言を受けて金融市場で早期かつ迅速な利下げの観測が急速に高まったことは、連邦公開市場委員会(FOMC)の機能とは相反するものと指摘。「われわれは将来について推論的に具体的な政策を議論することはない」と述べた。
また、クリーブランド地区連銀のメスター総裁は、利下げ時期について金融市場はFRBより「やや先走りしている」との見方を示した。
それでもCMEのフェドウオッチによると、金融市場は来年3月のFOMCで25ベーシスポイント(bp)の利下げが行われる確率を63.4%織り込んでいる。
今週は21日に第3・四半期国内総生産(GDP)確報値、22日の個人消費支出(PCE)統計でPCE価格指数などが発表される。
S&P500の主要11セクターでは通信サービスが上昇率トップ。一方、不動産と公益事業は下落した。
紅海で船舶攻撃が激化する中、供給懸念から原油価格が上昇し、最近の株高で出遅れ感のあったエネルギー株を押し上げた。
個別銘柄では鉄鋼大手USスチールが26.1%急伸。日本製鉄が約2兆円で買収すると発表した。
アップルは0.9%安。中国全土で同社のiPhoneなど海外製の端末を職場に持ち込まないよう職員に求める中国の政府機関や国営企業が拡大していると報じられた。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.12対1の比率で上回った。ナスダックでは1.15対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は117億5000万株。直近20営業日の平均は118億8000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 37306.02 +0.86 0.00 37330.14 37393.45 37284.85
前営業日終値 37305.16
ナスダック総合 14904.81 +90.89 +0.61 14814.02 14938.04 14811.82
前営業日終値 14813.92
S&P総合500種 4740.56 +21.37 +0.45 4725.58 4749.52 4725.58
前営業日終値 4719.19
ダウ輸送株20種 15963.04 -53.07 -0.33
ダウ公共株15種 879.57 -2.32 -0.26
フィラデルフィア半導体 4103.79 -13.22 -0.32
VIX指数 12.56 +0.28 +2.28
S&P一般消費財 1428.18 +11.22 +0.79
S&P素材 534.74 +0.32 +0.06
S&P工業 952.49 +0.69 +0.07
S&P主要消費財 757.52 +8.09 +1.08
S&P金融 621.04 +0.87 +0.14
S&P不動産 248.59 -0.88 -0.35
S&Pエネルギー 643.17 +4.88 +0.76
S&Pヘルスケア 1561.53 +2.94 +0.19
S&P通信サービス 241.75 +4.48 +1.89
S&P情報技術 3395.14 +9.07 +0.27
S&P公益事業 321.40 -0.96 -0.30
NYSE出来高 10.73億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 32795 + 95 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 32720 + 20 大阪比