Shiho Tanaka Yuka Obayashi
[東京 26日 ロイター] - 産経新聞電子版は26日、合弁会社を通じてロシア北極圏の液化天然ガス(LNG)開発事業に参画してきた三井物産が、出向者を日本へ引き上げることを決めたと報じた。同プロジェクトは米国が11月に制裁対象に指定しており、ロシア紙コメルサントは、出資する外国企業が事業への参加を停止したと伝えていた。
三井物産は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)とともに「アークティック2」事業に10%を出資。産経によると、合弁会社からの出向者引き上げは日本側の事業撤退を即座には意味せず、権益は維持される見通しという。米国の制裁から出向者を守る意図もあると伝えている。
三井物産はロイターの取材にコメントを控えた。JOGMECのコメントは得られていない。
上川陽子外相は26日午前の会見で、コメルサントの報道について「政府としてエネルギーの安定供給を損なうことのないよう総合的に判断をし、適切に対応したい」と語っていた。民間企業同士のやり取りだとし、事実関係は明らかにしなかった。
アークティック2はロシアのノバテクが60%を保有。三井物産とJOGMEC連合のほか、中国海洋石油(CNOOC)、中国石油天然ガス集団(CNPC)、仏トタルエナジーズも参画している。