[日本インタビュ新聞社] - ■新春のカレンダー投資は捻ってイベント関連の軽量銘柄、脇道銘柄、裏銘柄を待ち伏せして「宝船」!?
新春相場は、新年の挨拶もご祝儀相場もなく、いきなり本気モードでスタートするかもしれない。新年事始めのカレンダー投資のために、2024年の政治・経済スケジュールを一瞥すると、リスクオンよりリスクオフが懸念されるノイズ(騒音)だらけのイベントばかりが目につくからだ。初夢が、福夢になるのか悪夢になるのか、マーケットの大海に漕ぎ出す舟が、宝船か泥船か心配になるのが投資家心理というもので、新春早々、緊張を強いられる。
■日米金利差が拡大する2024年、為替や株価の動きに注目
ファンダメンタルズは、2023年と2024年とでは大差はないはずだ。ベースの日米中央銀行の金融政策は、両国とも出口戦略を探るが、方向性は真逆である。FRB(米連邦準備制度理事会)は利下げ(緩和)、日本銀行は利上げ(引き締め)の金融政策正常化で、これが日米金利差に影響し為替、株価を乱高下させる。ウクライナ、パレスチナの地政学リスクは、危機的状況のまま年を越しそうだが、先行きは、3月のロシアの大統領選挙や11月の米国の大統領選挙が絡み合い、米大統領選挙は、1月、2月から共和党、民主党の党員集会がスタートする。
■親米派か親中派か?台湾の運命を分ける総統選挙と日本の安全保障
地政学リスクでは、年明け1月13日に予定されている台湾の総統選挙も焦点になる。親米派の与党候補と親中派の野党候補の三つ巴の選挙戦で、与党候補が当選した場合に中国が大規模軍事演習で威嚇する台湾海峡有事が懸念される。ウクライナ、パレスチナを戦場にした「遠い戦争」に次ぎ、北朝鮮のミサイル発射・核実験強行も重なり日本の庭先での「近い戦争」への警戒が強まる。国内政局も、東京地検特捜部による自民党の政治パーティー券裏金疑惑への捜査が、正月休み返上で続けられ、立件により関係議員の失職まで悪化して4月の補欠選挙も懸念されるなど1月の通常国会開会に向け政治不信が高まり、あるいは来年度予算の成立に大ブレーキとなるかもしれない。
■悲観論はもう古い?2023年相場のリバウンド要因とハイテク株の活躍
しかしである。かつて「大なる悲観は大なる楽観に一致する」と看破された。盾には表と裏がある。またショック安となったイベントが織り込み済み、悪材料出尽くしとなれば、株価は大きくリバウンドする。現に日米の金融政策にしろ地政学リスクにしろ国内政局波乱にしろ、2023年相場にカゲを落とし続けてきたが、にもかかわらず足元の12月相場では、ダウ工業株30種平均(NYダウ)は、史上最高値を更新し、日経平均株価も一時、年初来高値を更新した。また2023年に時価総額が3倍となった米国の画像処理半導体メーカー・エヌビディアを中心とする7銘柄「マグニフィセント・セブン」に牽引され指数寄与度の大きい半導体関連株などのハイテク株が下支えしてリスクを吸収した。
■新NISAやパリ五輪などのグッドニュースが続く2024年の政治・経済イベント
さらに新春の数々の政治・経済イベントには、ノイズばかりでなくグッドニュースが期待できるイベントも混在する。その最たるものは、2024年1月からスタートする新NISA(少額投資非課税制度)であり、今年7月までの前半に限っても2月~3月の春闘交渉、6月の所得税減税、7月のパリ・オリンピックの開幕などと続く。福夢と悪夢、宝船と泥船の混在であり、それを先読み、捻り読み、裏読みするなど自分流の絵解きをしてリスクオンとリスクオフをスクリーニングするのも投資家の腕の見せ所となるはずである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)