[16日 ロイター] - 米国株式市場は下落。金融大手モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックス の強弱まちまちの決算が銀行株を圧迫したほか、ボーイングとアップルに売りが先行し、S&P総合500種を下押しした。
モルガン・スタンレーは2023年第4・四半期の減益が嫌気され、1カ月余りぶりの安値に沈んだ。ゴールドマンは51%増益を発表後、ほぼ終日小動きで推移した。
S&P500の銀行株指数 (SPXBK)は1カ月余りぶりの安値を記録。他の大手銀の一部が先週末に発表した決算が減益となったことを映した。
アップルは 競争が激化する中国スマートフォン市場でiPhoneの異例の値下げに踏み切ったことが売りを誘った。アップルは先週、時価総額でマイクロソフトに首位を奪われている。
米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は16日、FRBが2%とするインフレ目標の達成は「射程圏内」にあるとの見方を示しながらも、インフレ率の低下が持続すると明確になるまで利下げを急ぐべきでないと述べた。これが市場心理に水を差した。
FRBが3月にも利下げを開始するとの見方は後退した。
ベアードの投資戦略アナリスト、ロス・メイフィールド氏は「バリュエーションは確かに膨張しているが、FRBがどの程度利下げに傾いているかについて投資家がやや楽観的になりすぎたという認識が広まったというのがきょうの動きを説明している」と述べた。
S&P500は昨年12月に急伸後、2022年1月に付けた終値での最高値近辺で推移を続けており、現時点でその水準を約1%下回っている。
UBSグローバル・リサーチは24年末のS&P500の目標価格を5150に引き上げた。現在の水準を8%超上回る。
S&P500の主要11セクターのうち10セクターが下落し、エネルギーが2.4%安と、最も大きく下げた。情報技術は0.4%上昇した。
格安航空会社(LCC)のスピリット航空は、連邦裁判所が同業ジェットブルー航空による買収計画を差し止める判断を下したことを受け、47%急落。
ボーイングは約8%下落し、2カ月ぶりの安値を付けた。米連邦航空局(FAA)が同社の旅客機「737MAX9」の運航停止措置を無期限で延長し、ウェルズ・ファーゴが投資判断を「オーバーウエート」から「イコールウエート」に引き下げた。
一方、半導体大手アドバンスト・マイクロ ・デバイセズ(AMD)は8.3%急伸。バークレイズのアナリストがAMDを含む半導体メーカーの株価目標を引き上げたことを受けた。エヌビディアは過去最高値を更新した。
米取引所の合算出来高は130億株に膨らんだ。直近20営業日の平均は121億株。
S&P500構成銘柄は値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.6対1の比率で上回った。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 37361.12 -231.86 -0.62 37493.54 37543.18 37201.39
前営業日終値 37592.98
ナスダック総合 14944.35 -28.41 -0.19 14908.26 15004.35 14863.81
前営業日終値 14972.76
S&P総合500種 4765.98 -17.85 -0.37 4772.35 4782.34 4747.12
前営業日終値 4783.83
ダウ輸送株20種 15342.58 -127.95 -0.83
ダウ公共株15種 875.64 -9.85 -1.11
フィラデルフィア半導体 4105.94 +53.52 +1.32
VIX指数 13.84 +0.59 +4.45
S&P一般消費財 1387.23 -2.82 -0.20
S&P素材 520.16 -6.24 -1.19
S&P工業 940.11 -9.30 -0.98
S&P主要消費財 767.65 -3.73 -0.48
S&P金融 621.11 -3.97 -0.64
S&P不動産 246.85 -1.52 -0.61
S&Pエネルギー 616.60 -15.17 -2.40
S&Pヘルスケア 1628.69 -9.06 -0.55
S&P通信サービス 250.46 -1.06 -0.42
S&P情報技術 3431.18 +13.33 +0.39
S&P公益事業 318.32 -3.38 -1.05
NYSE出来高 10.45億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 35905 + 255 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 35855 + 205 大阪比