[東京 23日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比373円32銭高の3万6920円27銭と、続伸した。取引時間として連日でバブル後高値を更新、1990年2月以来の高水準となった。米国株式市場での底堅い動きを好感したほか、日銀の金融緩和政策の現状維持観測が支えとなった。日経平均は前場終盤にも上値を伸ばし、一時約370円高となった。
22日の米国株市場は主要3指数がそろって上昇し、S&P総合500種、ダウ工業株30種が終値ベースで最高値を更新した。
日経平均は58円高の3万6605円30銭で寄り付いた。しばらくもみ合った後、前場終盤で373円高の3万6920円27銭で高値を付けた。指数寄与度の高いファーストリテイリングが4万円の大台を更新し、日経平均の上昇に弾みをつけた。
日銀の金融政策決定会合では、マイナス金利の解除など具体的な政策修正は見送られるとの見方が優勢となっている。市場では「少なくとも4月までは現状維持となるため、株式市場への資金流入は今後も続くとの期待が高まっている」(国内証券アナリスト)との声があった。
TOPIXは0.67%高の2561.86ポイントで午前の取引を終了し、同じく高値更新となった。東証プライム市場の売買代金は2兆3619億0800万円だった。東証33業種では、値上がりは精密機器、輸送用機器、医薬品など25業種で、値下がりは電気・ガス、陸運など8業種だった。
大和証券の林健太郎シニアストラテジストは「海外投資家の資金が流入し各セクターの代表銘柄が買われているほか、これまで買われていた半導体などのハイテク株は、(物色については)大型株から中小型株へシフトしている」との見方を示した。後場は日銀の植田和男総裁の会見を控え、様子見ムードが強まる可能性が高いとみられている。
個別では、HOYA、テルモ、オリンパスがしっかり。KDDI、セブン&アイ・ホールディングスはさえなかった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが913銘柄(55%)、値下がりは658銘柄(39%)、変わらずは87銘柄(5%)だった。