Summer Zhen
[香港 23日 ロイター] - シンガポールを拠点とするアジア・ジェネシス・アセット・マネジメントは、中国と日本での取引失敗を受けて「大幅で前例のないドローダウン(損失率)」を出した傘下ヘッジファンドを清算する。
チュア・スン・ホック最高投資責任者(CIO)による投資家宛ての書簡をロイターが確認した。それによると、「アジア・ジェネシス・マクロ・ファンド」が1月最初の数週間で18.8%の損失を出したことから、これ以上の損失を防ぎ、資金を償還するため同ファンドを閉鎖する。
このファンドは業界のベテランであるチュア氏が2020年に立ち上げたもので、約3億ドルを運用している。
アジア・ジェネシスからはコメントを得られなかった。
中国で前例のない株安と日本では持続的な株高が進む中、書簡は「最近の日経平均と香港の急激な逆方向への動きでわれわれは大きな間違いを犯した」と説明。「私はトレーダーとしての自信を失うに至っている」と心情を吐露した。
ファンドは香港と中国でロングポジションを増やし、日本ではショートポジションを増やしていた。
チュア氏は以前、日本のマクロファンドを運用し、2000年から09年まで毎年18.7%のリターンを上げていた。