Jihoon Lee Cynthia Kim
[ソウル 23日 ロイター] - 韓国の個人投資家が中国株に連動する金融派生商品(デリバティブ)で多額の損失を被っている。
問題となっているのは、香港上場の中国本土企業で構成するハンセン中国企業株指数(H株指数)に連動する株価指数リンク債。
この商品は、H株指数が一定の水準(ノックイン価格)を下回らない限り、H株指数に連動し、債券のようなクーポンの支払いを約束されるが、H株指数は今月11%急落し、2021年2月の高値から半値以下に落ち込んでいる。
ノックイン価格は商品によって異なるが、同価格を下回り、損失が発生するケースが相次いでいる。
今年満期を迎えるこうした株価指数リンク債は15兆4000億ウォン(115億ドル)。国内銀行によると、国内大手行が販売し、今月満期を迎えた4326億ウォンのうち、19日時点で2164億ウォンの損失が発生している。
韓国金融監督院(FSS)は今月8日、こうした商品を販売した国内銀行・証券会社12社の調査を開始。販売慣行に問題がなかったか調べている。
FSSは、個人投資家には理解が難しい複雑な高リスク金融商品を販売するよう銀行が従業員に圧力をかけていたと表明。今年満期を迎える115億ドルのうち、20%が第1・四半期に、32%が第2・四半期に満期を迎え、巨額の損失が出始めると述べた。
FSSによると、こうした金融商品は韓国で総額19兆3000億ウォン販売されているが、購入者の4分の1強は65歳以上という。