[東京 8日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比743円36銭高の3万6863円28銭と大幅高となり、3日ぶり反発して取引を終えた。ソフトバンクグループが傘下のアームの好決算を受けて大幅上昇し、指数をけん引した。日銀副総裁の発言を受け、金融緩和継続への思惑が広がったことも相場を支援した。終値でバブル経済崩壊後の高値を更新した。 日経平均は138円高で反発してスタートした後も上値を拡大し、後場には一時837円高の3万6956円97銭に上昇し、心理的節目3万7000円に迫った。傘下の英アーム・ホールディングスの株価が時間外取引で急騰したことなどが好感されたソフトバンクGが一時11%超高に上昇し、1銘柄で日経平均を148円超押し上げた。 一方、日銀の内田真一副総裁が8日の講演で、マイナス金利を解除しても、どんどん利上げをしていくようなパスは考えにくいと述べ、緩和的な金融環境を維持することになるとの見通しを示したことが伝わり「マイナス金利解除後の利上げへの過度な警戒感が後退した」(国内証券のアナリスト)との受け止めが聞かれた。 断続的な先物買いが観測される中、寄与度の高い銘柄群が上げ幅を拡大したほか、大型株に物色が集まり、海外勢による日本株買いが意識された。大型株のTOPIX100指数が0.9%高だったのに対し、同ミッド400、同スモールは約0.2%安で、大型株の上げが目立った。 市場では「(日経平均をTOPIXで割る)NT倍率が急上昇した。日経平均の3万7000円を意識した指数取引の側面が強かったようだ。短期トレードが中心の不安定な相場にみえる」(りそなアセットマネジメントの戸田浩司ファンドマネージャー)との見方が聞かれた。 TOPIXは0.5%高の2562.63ポイントで取引を終え、バブル後高値を更新した。東証プライム市場指数は前営業日比0.5%高の1318.79ポイントで昨年来高値を更新。プライム市場の売買代金は5兆5622億6300万円と昨年11月30日以来の高水準に膨らんだ。東証33業種では、値上がりはその他金融やその他製品、輸送用機器など17業種で、値下がりは繊維や電気・ガス、建設など16業種だった。
ファーストリテイリングが大幅高。東京エレクトロンやアドバンテストは昨年来高値を更新した。一方、スズキやHOYA、KDDIは軟調だった。 新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.11%安の708.96ポイントと、続落した。新規上場のVeritas In Silicoの初値は公開価格の2倍の2001円となった。その後、ストップ高水準の2501円で取引を終えた。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが584銘柄(35%)、値下がりは1013銘柄(61%)、変わらずは60銘柄(3%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 36863.28 +743.36 36258.84 36,206.20─3
6,956.97
TOPIX 2562.63 +12.68 2557.35 2,542.72─2,
572.41
プライム市場指数 1318.79 +6.53 1316.22 1,308.82─1,
323.83
スタンダード市場指数 1228.04 -1.10 1230.70 1,221.42─1,
231.42
グロース市場指数 895.34 -2.17 899.64 890.59─903.
04
グロース250指数 708.96 -0.78 711.83 705.04─715.
66
東証出来高(万株) 209634 東証売買代金(億円 55622.63
)