Alexander Hübner Emma-Victoria Farr
[ミュンヘン 19日 ロイター] - ドイツ南部ミュンヘンに外資系金融機関が相次いで進出しており、同国最大の金融センターであるフランクフルトが担ってきた役割の一部を奪い始めている。ミュンヘンにはDAX指数に組み入れられた大手企業や新興ハイテク企業、保険会社、機関投資家といった顧客が集中している上、山岳地帯に近く豊かな自然に触れられることも魅力となっている。
ミュンヘンにはシーメンス、アリアンツ、BMWといった大手企業が拠点を構え、これに引き寄せられたのがゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーといった金融機関だ。勤務するバンカーらは、ミュンヘンでの生活の質も高く評価している。
2020年にミュンヘンに事務所を開設した米投資銀行ペレラ・ワインバーグのパートナー兼欧州責任者、ディートリッヒ・ベッカー氏はミュンヘンについて「多くの意思決定者がここに住んで働いている上、暮らしやすい都市でもある」と指摘。ミュンヘンはドイツ国内で顧客が最も集中していると付け加えた。
来月にはゴールドマン・サックスがミュンヘンに拠点を開設。ドイツ国内ではフランクフルトに続く2番目の拠点となる。
ゴールドマンのドイツ・オーストリア地区責任者、ウォルフガング・フィンク氏によると、同社のミュンヘン拠点は約30人のバンカーから成るチームが業務を担い、一部の人員はフランクフルトやロンドンから異動してくるという。
同氏は、ミュンヘンは「ますます国際化している」と述べた。
モルガン・スタンレーも夏場にミュンヘンに拠点を開設する。また関係者によると、米投資銀行PJTパートナーズも近くミュンヘンでの拠点開設を計画している。