[パリ 27日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは27日、フランスの昨年の財政赤字が予想を上回ったことを踏まえると、今後数年に財政目標を達成できる可能性は低いとの見方を示した。
フランス国立統計経済研究所(INSEE)が26日発表した2023年の公共部門財政赤字は、対国内総生産(GDP)比5.5%と22年の4.8%から拡大し、政府目標の4.9%を大幅に上回った。
ムーディーズのシニアバイスプレジデント、サラ・カールソン氏は「政府は財政目標を変更していないが、23年の財政赤字が予想を上回ったことから、27年までに財政赤字を(目標の)対GDP比2.7%に削減できる可能性は低い」と指摘した。
政府は2月に100億ユーロ(108億2000万ドル)の予算削減を発表。財政赤字を今年の目標である対GDP比4.4%に削減するには追加措置が必要になるとの見方を示唆した。
ムーディーズは100億ユーロの削減や以前に発表された措置ではおそらく不十分とした。
また、最新のデータはより高水準の債務が従来予想より長く続くことを示しているとし、経済・歳入に関する過度に楽観的な想定を基に中期財政戦略が策定されていると指摘した。