Caroline Valetkevitch
[ニューヨーク 2日 ロイター] - 米国株式市場は下落して取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始時期が後ずれする可能性があるとの見方が市場で出ていることが背景。電気自動車(EV)大手テスラが売られたことも重しになった。
テスラが発表した第1・四半期の納入台数は前四半期比20.2%減の約38万6810台。納入台数の減少は新型コロナウイルス禍で生産停止を余儀なくされた2020年第2・四半期以来初めてだった。
テスラ株は4.9%下落し、S&P総合500種とナスダック総合を圧迫した。
ユナイテッド・ヘルス、CVSヘルス、ヒューマナも軒並み売られ、ヘルスケア株の下げも目立った。米政府がメディケア(高齢者・障害者向け公的医療保険制度)の民間運営保険プラン「メディケア・アドバンテージ」について、払い戻し比率を据え置いたことを受けた。
米国債市場では10年債利回りが一時、昨年11月下旬以来の高水準を付けた。最近の堅調な経済指標を受けて、FRBが年内に見込まれる3回の利下げを実施できるかどうか疑問視する声が高まっている。
LPLファイナンシャルのチーフグローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は、FRBが年内の利下げを予測しているにもかかわらず、高水準の金利を長期間維持するシナリオが復活しつつあると指摘。「これが市場の懸念につながった」と話した。
投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は上昇した。
クロスビー氏は「健全な市場には調整が必要で、これが恐らくその局面だろう」と語った。
S&P500種は、年初来で依然として約9%上昇している。
この日発表された指標では、2月の製造業新規受注が予想以上に増加。2月の雇用動態調査(JOLTS)の求人件数も高水準を維持した。
LSEGのデータによると、市場が織り込む年内の利下げ回数は数週間前の3回から2回程度にシフトしている。
2日に講演したFRB当局者は、利下げを急がない姿勢を改めて示した。
投資家は5日発表の米雇用統計に注目する。
「カルバン・クライン」などのブランドを展開するアパレルメーカーのPVHコープは22.2%の大幅安。四半期売上高が約11%減少するとの見通しが嫌気された。
米取引所の合算出来高は111億2000万株。直近20営業日の平均は118億7000万株。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.86対1の比率で上回った。ナスダックでも2.63対1で値下がり銘柄が多かった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 39170.24 -396.61 -1.00 39256.27 39256.27 39051.70
前営業日終値 39566.85
ナスダック総合 16240.45 -156.38 -0.95 16199.24 16251.41 16137.24
前営業日終値 16396.83
S&P総合500種 5205.81 -37.96 -0.72 5204.29 5208.34 5184.05
前営業日終値 5243.77
ダウ輸送株20種 15846.85 -184.72 -1.15
ダウ公共株15種 875.70 +0.65 +0.07
フィラデルフィア半導体 4886.94 -75.16 -1.51
VIX指数 14.61 +0.96 +7.03
S&P一般消費財 1457.63 -18.84 -1.28
S&P素材 581.30 -2.37 -0.41
S&P工業 1052.80 -5.51 -0.52
S&P主要消費財 803.36 -4.63 -0.57
S&P金融 693.84 -3.10 -0.45
S&P不動産 241.03 -2.73 -1.12
S&Pエネルギー 736.90 +9.95 +1.37
S&Pヘルスケア 1681.16 -27.69 -1.62
S&P通信サービス 288.69 +0.26 +0.09
S&P情報技術 3792.67 -36.99 -0.97
S&P公益事業 331.90 +0.56 +0.17
NYSE出来高 10.92億株
シカゴ日経先物6月限 ドル建て 39705 - 215 大阪比
シカゴ日経先物6月限 円建て 39670 - 250 大阪比